「神経誘導」の版間の差分

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 [[ショウジョウバエ]]においては、[[神経芽細胞]]([[neuroblast]])は胚の腹側で生じる<ref name=ref28><pubmed>8598900</pubmed></ref>。
 [[ショウジョウバエ]]においては、[[神経芽細胞]]([[neuroblast]])は胚の腹側で生じる<ref name=ref28><pubmed>8598900</pubmed></ref>。


 この神経分化に必須の役割を果たすのは、[[short gastrulation]]([[sog]])である。Sogは胚の腹側から背側にかけて濃度勾配を形成し<ref name=ref29><pubmed>11782317</pubmed></ref>、そのタンパク質はchordin同様に[[システイン]]に富むモチーフを4つ持ち、機能的にはchordinと類似する(つまり、sogをアフリカツメガエルで強制発現すると[[2次軸]]<u>(編集部コメント:簡単にご説明ください)</u>が形成され、外胚葉は神経化する)<ref name=ref30><pubmed>7617035</pubmed></ref>。また、sogの変異を脊椎動物のnogginで補償できることからも、sogが脊椎動物の神経誘導因子と同じ機能を持つことが推察できる<ref name=ref31><pubmed>8752215</pubmed></ref>。
 この神経分化に必須の役割を果たすのは、[[short gastrulation]]([[sog]])である。Sogは胚の腹側から背側にかけて濃度勾配を形成し<ref name=ref29><pubmed>11782317</pubmed></ref>、そのタンパク質はchordin同様に[[システイン]]に富むモチーフを4つ持ち、機能的にはchordinと類似する(つまり、sogをアフリカツメガエルで強制発現すると2次軸が形成され、外胚葉は神経化する)<ref name=ref30><pubmed>7617035</pubmed></ref>。また、sogの変異を脊椎動物のnogginで補償できることからも、sogが脊椎動物の神経誘導因子と同じ機能を持つことが推察できる<ref name=ref31><pubmed>8752215</pubmed></ref>。


 一方、[[decapentaplegic]]([[dpp]])は胚の背側に発現して脊椎動物のBMP4と同等の機能を持ち<ref name=ref32><pubmed>16368928</pubmed></ref>、sogと直接結合して互いの機能を阻害し合う('''図3''')。
 一方、[[decapentaplegic]]([[dpp]])は胚の背側に発現して脊椎動物のBMP4と同等の機能を持ち<ref name=ref32><pubmed>16368928</pubmed></ref>、sogと直接結合して互いの機能を阻害し合う('''図3''')。