「積分発火モデル」の版間の差分

23行目: 23行目:
 脂質二重層からなる神経細胞の細胞膜により、電荷をもつイオンは細胞膜からの流出入を妨げてられている。細胞外の電位を基準電位 (0 mV) とした場合、細胞内の電位を表す膜電位は、通常、負の値をもつ過分極した状態(およそ–70 mV付近)をとる。神経細胞は、細胞膜の外側と内側にそれぞれ正の電荷および負の電荷をもつイオンを帯電させた状態になり、細胞膜はキャパシタの性質を有する。細胞膜上に発現したタンパク質であるイオンチャネルが、その状態によってイオンの流出入を促す場合があり、膜電位の変化をもたらす。膜電位を<math>V</math>とし、細胞膜の膜容量を<math>C_m</math>、細胞膜(実際にはイオンチャンネル)を透過する電流 (膜電流) を<math>I_m</math>とすると、
 脂質二重層からなる神経細胞の細胞膜により、電荷をもつイオンは細胞膜からの流出入を妨げてられている。細胞外の電位を基準電位 (0 mV) とした場合、細胞内の電位を表す膜電位は、通常、負の値をもつ過分極した状態(およそ–70 mV付近)をとる。神経細胞は、細胞膜の外側と内側にそれぞれ正の電荷および負の電荷をもつイオンを帯電させた状態になり、細胞膜はキャパシタの性質を有する。細胞膜上に発現したタンパク質であるイオンチャネルが、その状態によってイオンの流出入を促す場合があり、膜電位の変化をもたらす。膜電位を<math>V</math>とし、細胞膜の膜容量を<math>C_m</math>、細胞膜(実際にはイオンチャンネル)を透過する電流 (膜電流) を<math>I_m</math>とすると、


::<math>C_m=\frac{dV}{dt}=-I_m</math>
::<math>C_m\frac{dV}{dt}=-I_m</math>


と表せる(膜電流は慣習として、外向きを正にとる)。膜電位変化に寄与する電流として、外部からの注入電流<math>I_{ext}</math>を考慮すると、
と表せる(膜電流は慣習として、外向きを正にとる)。膜電位変化に寄与する電流として、外部からの注入電流<math>I_{ext}</math>を考慮すると、


::<math>C_m=\frac{dV}{dt}=-I_m+I_{ext}</math>
::<math>C_m\frac{dV}{dt}=-I_m+I_{ext}</math>


のように書ける。
のように書ける。