「筋萎縮性側索硬化症」の版間の差分

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===酸化ストレス===
===酸化ストレス===
 ALS患者の脊髄やSOD1tgマウスの腰髄では、タンパク質の[[カルボニル化]]や[[8-オキソ-2’-デオキシグアニン]]といった[[酸化ストレス]]マーカーが顕著に増加している。酸化ストレスは[[過酸化脂質]]の生成を介してスーパーオキシドラジカルを発生させて細胞傷害的に作用し、特に脳や神経系は脂質に富み、酸化ストレスに脆弱であることから、酸化ストレスの緩和はALSにおける神経細胞変性を抑制するための重要な標的と考えられている。実際、酸化ストレスを軽減する[[抗酸化物質]]の投与はSOD1tgマウスを用いた系で有効であることが報告されている<ref><pubmed> 16713195 </pubmed></ref>[36]。さらに、酸化ストレスを軽減するエダラボンは、早期例に限定したALS治療薬として本邦で使用されている。
 ALS患者の脊髄やSOD1tgマウスの腰髄では、タンパク質の[[カルボニル化]]や[[8-オキソ-2’-デオキシグアニン]]といった[[酸化ストレス]]マーカーが顕著に増加している。酸化ストレスは[[過酸化脂質]]の生成を介してスーパーオキシドラジカルを発生させて細胞傷害的に作用し、特に脳や神経系は脂質に富み、酸化ストレスに脆弱であることから、酸化ストレスの緩和はALSにおける神経細胞変性を抑制するための重要な標的と考えられている。実際、酸化ストレスを軽減する[[抗酸化物質]]の投与はSOD1tgマウスを用いた系で有効であることが報告されている<ref><pubmed> 16713195 </pubmed></ref>。さらに、酸化ストレスを軽減するエダラボンは、早期例に限定したALS治療薬として本邦で使用されている。


==グリア細胞関連病態==
==グリア細胞関連病態==