「精神病性障害」の版間の差分

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 一方、精神病症状を伴う病態が必ずしも精神病性障害とは限らない。たとえば、せん妄や気分障害においても精神病症状が生じるが、これらは精神病性障害に含まれない。また、[[強迫性障害]]、[[解離性障害]]、[[身体醜形障害]]、[[パーソナリティ障害]]、[[発達障害]]などでも精神病症状が出現することがある。DSM-5では、強迫性障害や身体醜形障害における思い込みが妄想的確信を伴うものである場合、「[[病識]]が欠如した/妄想的確信を伴うもの」という特定用語が付与される。ICD-10によれば、強迫性障害や解離性障害に精神病症状が伴う場合、何らかの精神病性障害の診断が与えられる。
 一方、精神病症状を伴う病態が必ずしも精神病性障害とは限らない。たとえば、せん妄や気分障害においても精神病症状が生じるが、これらは精神病性障害に含まれない。また、[[強迫性障害]]、[[解離性障害]]、[[身体醜形障害]]、[[パーソナリティ障害]]、[[発達障害]]などでも精神病症状が出現することがある。DSM-5では、強迫性障害や身体醜形障害における思い込みが妄想的確信を伴うものである場合、「[[病識]]が欠如した/妄想的確信を伴うもの」という特定用語が付与される。ICD-10によれば、強迫性障害や解離性障害に精神病症状が伴う場合、何らかの精神病性障害の診断が与えられる。


{| class="wikitable"
|+表.DSMにおけるPsychosis/psychoticの定義の変遷
|-
|
|DSM-I<br>(1952)<br>psychosis<br>psychotic
|DSM-II<br>(1968)<br>psychosis<br>psychotic
|DSM-III<br>(1980)<br>psychotic
|DSM-III-R<br>(1987)<br>psychotic
|DSM-IV<br>(1994)<br>psychotic
|DSM-5<br>(2013)<br>psychosis<br>psychotic
|-
|定義
|記載なし
|生活の通常の要求を満たす能力に著しい<br>支障を来すほど精神機能が障害されている
|現実検討の著しい障害
|現実検討の著しい障害と新たな現実の創出
|記載なし
|記載なし
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|症状
|記載なし
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*妄想
*幻覚
*気分の変化
*知覚、言語、記憶の障害
|
*妄想
*幻覚
*滅裂な会話
*解体した行動
|
*妄想
*幻覚
*滅裂な会話
*解体した行動
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*妄想
*幻覚
*解体した会話
*解体した行動
*緊張病性行動
|
*妄想
*幻覚
*解体した会話
|-
|特徴
|
|機能障害の程度に基づく広義
|現実検討の障害に基づく狭義<br>"psychosis"の放棄
|同左
|症状を示す記述用語
|新たな意味での"psychosis"の復活
|-
|}


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
<references /> 
<references />