「細胞接着分子」の版間の差分

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=== インテグリン・ファミリー(Integrin family)  ===
=== インテグリン・ファミリー(Integrin family)  ===


[[Image:Furutani fig 4.jpg|thumb|right|300px|図4 インテグリン。A, インテグリンの構造。インテグリンはα、βサブユニットのヘテロ2量体からなる。 B, α、βサブユニットの組み合わせとそのリガンド分子。Col: Collagen, Fb: Fibrinogen, Fn: Fibronectin, FX; factor X, ICAM: Intercellular adhesion molecule, Ln: Laminin, MadCAM: Mucosal addressin cell adhesion molecule, Tn: Tenascin, VCAM: Vascular cell adhesion molecules, vWF: von Willebrand’s factor.]] [[wikipedia:integrin|インテグリン]]はαサブユニットとβサブユニットのヘテロ2量体からなる2価カチオン(Mg<sup>2+</sup>あるいはCa<sup>2+</sup>)依存性の接着分子である。マウスでは16種類のαサブユニットと8種類のβサブユニット遺伝子が存在し、図4に示す組み合わせにより機能的なヘテロ2量体を形成する。多くのインテグリンは、[[wikipedia:jp:コラーゲン|コラーゲン]]、[[wikipedia:Vitronectin|ビトロネクチン]]、[[wikipedia:Laminin|ラミニン]]、[[wikipedia:jp:フィブロネクチン|フィブロネクチン]]などの細胞外マトリックス蛋白質をリガンドとして細胞−基質間の接着を司る。一方、一部のインテグリンはIgSFや[[カドヘリン]]と結合することで細胞間接着を担う。例えばβ2サブユニットを含むインテグリンLFA-1(αLβ2; CD11a/CD18)は、Telencephalin(ICAM-5)などのICAMファミリーIgSF分子群と結合し、免疫系および神経系における細胞間認識・接着において機能することが報告されている<ref><pubmed>17201681</pubmed></ref><ref><pubmed>18367254</pubmed></ref>。インテグリンの細胞内領域はTalin, α-Actinin, Vinculinなどと結合し、アクチン細胞骨格系や様々な細胞内シグナル伝達系を制御する<ref><pubmed>12297042</pubmed></ref>。神経系におけるインテグリンの機能として、ニューロンの移動、軸索の伸長、シナプスの形成、神経可塑性の制御などが報告されている<ref><pubmed>15250583</pubmed></ref><ref><pubmed>17049262</pubmed></ref><ref><pubmed>16567651</pubmed></ref><ref><pubmed>19047646</pubmed></ref><ref><pubmed>19758485</pubmed></ref><ref><pubmed>22232691</pubmed></ref><ref><pubmed>23083738</pubmed></ref>。  
[[Image:Furutani fig 4.jpg|thumb|right|300px|図4 インテグリン。A, インテグリンの構造。インテグリンはα、βサブユニットのヘテロ2量体からなる。 B, α、βサブユニットの組み合わせとそのリガンド分子。Col: Collagen, Fb: Fibrinogen, Fn: Fibronectin, FX: factor X, ICAM: Intercellular adhesion molecule, Ln: Laminin, MadCAM: Mucosal addressin cell adhesion molecule, Tn: Tenascin, VCAM: Vascular cell adhesion molecules, vWF: von Willebrand’s factor.]] [[wikipedia:integrin|インテグリン]]はαサブユニットとβサブユニットのヘテロ2量体からなる2価カチオン(Mg<sup>2+</sup>あるいはCa<sup>2+</sup>)依存性の接着分子である。マウスでは16種類のαサブユニットと8種類のβサブユニット遺伝子が存在し、図4に示す組み合わせにより機能的なヘテロ2量体を形成する。多くのインテグリンは、[[wikipedia:jp:コラーゲン|コラーゲン]]、[[wikipedia:Vitronectin|ビトロネクチン]]、[[wikipedia:Laminin|ラミニン]]、[[wikipedia:jp:フィブロネクチン|フィブロネクチン]]などの細胞外マトリックス蛋白質をリガンドとして細胞−基質間の接着を司る。一方、一部のインテグリンはIgSFや[[カドヘリン]]と結合することで細胞間接着を担う。例えばβ2サブユニットを含むインテグリンLFA-1(αLβ2; CD11a/CD18)は、Telencephalin(ICAM-5)などのICAMファミリーIgSF分子群と結合し、免疫系および神経系における細胞間認識・接着において機能することが報告されている<ref><pubmed>17201681</pubmed></ref><ref><pubmed>18367254</pubmed></ref>。インテグリンの細胞内領域はTalin, α-Actinin, Vinculinなどと結合し、アクチン細胞骨格系や様々な細胞内シグナル伝達系を制御する<ref><pubmed>12297042</pubmed></ref>。神経系におけるインテグリンの機能として、ニューロンの移動、軸索の伸長、シナプスの形成、神経可塑性の制御などが報告されている<ref><pubmed>15250583</pubmed></ref><ref><pubmed>17049262</pubmed></ref><ref><pubmed>16567651</pubmed></ref><ref><pubmed>19047646</pubmed></ref><ref><pubmed>19758485</pubmed></ref><ref><pubmed>22232691</pubmed></ref><ref><pubmed>23083738</pubmed></ref>。  


=== その他のシナプス接着分子  ===
=== その他のシナプス接着分子  ===
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