「細胞時計」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
10行目: 10行目:
同義語: 末梢時計(peripheral clock)
同義語: 末梢時計(peripheral clock)


{{box|text= 一日サイクルで変化する生命現象は多いが、この日内変動が一定の環境条件においても継続する時、その生命現象は生体内の計時機構によって支配されていることが分かる。このような計時機構は「概ね一日」を刻む時計という意味で[[概日時計]](circadian clock)と呼ばれ、この時計が制御している変動を[[概日リズム]] (circadian rhythm)と呼ぶ。}}
{{box|text= 一日サイクルで変化する生命現象は多いが、この日内変動が一定の環境条件においても継続する時、その生命現象は生体内の計時機構によって支配されていることが分かる。このような計時機構は「概ね一日」を刻む時計という意味で[[概日時計]](circadian clock)と呼ばれ、この時計が制御している変動を[[概日リズム]] (circadian rhythm)と呼ぶ。動物の[[概日リズム]]を生み出す概日時計システムは、[[脳]]に存在する[[中枢時計]]と、末梢組織に存在する[[末梢時計]]とが階層構造をなして構成されている。}}


==細胞時計とは==
==回路メカニズム==
 動物の[[概日リズム]]を生み出す概日時計システムは、[[脳]]に存在する[[中枢時計]]と、末梢組織に存在する[[末梢時計]]とが階層構造をなして構成されている。[[wj:哺乳類|哺乳類]]においては、個体の行動リズム形成には[[視床下部]]の[[視交叉上核]]([[suprachiasmatic nucleus]]; [[SCN]])が重要な役割を果たしている。例えば、SCNを破壊したり、SCNと他の脳部位との神経連絡を切断すると、行動の概日リズムが消失する。SCNのように、個体の概日リズム形成に決定的な役割を果たす振動体を[[主時計]](master clock)もしくは中枢時計(central clock)という。
 動物の[[概日リズム]]を生み出す概日時計システムは、[[脳]]に存在する[[中枢時計]]と、末梢組織に存在する[[末梢時計]]とが階層構造をなして構成されている。[[wj:哺乳類|哺乳類]]においては、個体の行動リズム形成には[[視床下部]]の[[視交叉上核]]([[suprachiasmatic nucleus]]; [[SCN]])が重要な役割を果たしている。例えば、SCNを破壊したり、SCNと他の脳部位との神経連絡を切断すると、行動の概日リズムが消失する。SCNのように、個体の概日リズム形成に決定的な役割を果たす振動体を[[主時計]](master clock)もしくは中枢時計(central clock)という。