「細胞骨格」の版間の差分

編集の要約なし
40行目: 40行目:
 古典的微小管関連タンパク質(microtubule-associated proteins MAPs)とは、微小管精製の重合脱重合サイクルで微小管とともに精製され、微小管重合を促進するものをいう。MAP1A, 1B, MAP2, MAP4, tauなどがある。隣り合う微小管を架橋するなど構造的な機能が示唆されている。tauは遺伝性アルツハイマー病の原因遺伝子である。MAP2は樹状突起と細胞体のマーカーとなる。
 古典的微小管関連タンパク質(microtubule-associated proteins MAPs)とは、微小管精製の重合脱重合サイクルで微小管とともに精製され、微小管重合を促進するものをいう。MAP1A, 1B, MAP2, MAP4, tauなどがある。隣り合う微小管を架橋するなど構造的な機能が示唆されている。tauは遺伝性アルツハイマー病の原因遺伝子である。MAP2は樹状突起と細胞体のマーカーとなる。


 微小管の上のモーター分子にはキネシン、ダイニンおよびその類縁タンパク質がある。これらの発見は、微分干渉顕微鏡像のタイムラプス像を電気的にコントラスト増強することで、一本の微小管がスライドグラスの上を移動するのが観察できるようになった1980年代中盤の技術革新のたまものである。微小管関連タンパク質MAP1Cは細胞質ダイニンであることがわかった。また、数多くのキネシン類縁タンパク質(KIFs)が同定された。それぞれの機能については現在、詳細に研究がされている。
 微小管の上のモーター分子にはキネシン、ダイニンおよびその類縁タンパク質がある。これらの発見は、微分干渉顕微鏡像の[[タイムラプス解析|タイムラプス像]]を電気的にコントラスト増強することで、一本の微小管がスライドグラスの上を移動するのが観察できるようになった1980年代中盤の技術革新のたまものである。微小管関連タンパク質MAP1Cは細胞質ダイニンであることがわかった。また、数多くのキネシン類縁タンパク質(KIFs)が同定された。それぞれの機能については現在、詳細に研究がされている。


 新しい関連タンパク質として、微小管が重合する際にその+端に彗星のように結合する一連のタンパク質がある。これはGFPが普及し、その融合タンパク質の局在や動態を見ることがルーチンになったため、偶然に発見された。EB1, Clip-170, STIM1などがあり +tipsタンパク質と呼ばれている。
 新しい関連タンパク質として、微小管が重合する際にその+端に彗星のように結合する一連のタンパク質がある。これはGFPが普及し、その融合タンパク質の局在や動態を見ることがルーチンになったため、偶然に発見された。EB1, Clip-170, STIM1などがあり +tipsタンパク質と呼ばれている。