「脂肪酸結合タンパク質7型」の版間の差分

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 FABP7遺伝子はヒトで6番染色体短腕22-23、マウスでは10番染色体に存在している (NCBI website, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/?term=FABP7)。 発達期の脳のFABP7を制御する転写因子としてNotchシグナル経路、Reelin-[[DAB1]]、[[PAX]]6、NF-1、[[POU]]ドメインタンパク質が知られている。マウスではNotchシグナル経路、ラットではPAX6が特に重要な役割を果たすと考えられている <ref name="ref3" /><ref name="ref4"><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>。  
 FABP7遺伝子はヒトで6番染色体短腕22-23、マウスでは10番染色体に存在している (NCBI website, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/?term=FABP7)。 発達期の脳のFABP7を制御する転写因子としてNotchシグナル経路、Reelin-[[DAB1]]、[[PAX]]6、NF-1、[[POU]]ドメインタンパク質が知られている。マウスではNotchシグナル経路、ラットではPAX6が特に重要な役割を果たすと考えられている <ref name="ref3" /><ref name="ref4"><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>。  


 FABPは核と細胞質の双方に発現しており、proliferator-activated receptor ([[wikipedia:ja:PPAR|PPAR]])を活性化することによって遺伝子を制御していると考えられている。肝臓型FABP1がPPARαとPPARγ、脂肪細胞型FABP4と表皮型FABP5がPPARγおよびPPARβに結合することが明らかにされている一方、FABP7の[[wikipedia:ja:核内受容体|核内受容体]]との結合や転写調節の詳細は明らかではない<ref name="ref3" />。腫瘍細胞を用いた研究では、悪性膠芽腫でFABP7によって核内に輸送されたDHAを介してPPARγが活性化しPPARγの標的遺伝子を制御することや<ref name="ref5"><pubmed> 20834042 </pubmed></ref>、トリプルネガティブ乳がん([[wikipedia:Triple-negative breast cancer |Triple-negative breast cancer ]])でDHAをretinoid X receptorβ (RXRβ)に結合させ腫瘍の増殖を促進させている可能性が示唆されている<ref name="ref6"><pubmed> 22322885 </pubmed></ref>。  
 FABPは核と細胞質の双方に発現しており、proliferator-activated receptor ([[wikipedia:ja:PPAR|PPAR]])を活性化することによって遺伝子を制御していると考えられている。肝臓型FABP1がPPARαとPPARγ、脂肪細胞型FABP4と表皮型FABP5がPPARγおよびPPARβに結合することが明らかにされている一方、FABP7の[[wikipedia:ja:核内受容体|核内受容体]]との結合や転写調節の詳細は明らかではない<ref name="ref3" />。腫瘍細胞を用いた研究では、悪性膠芽腫においてFABP7がDHAを核内にを輸送することによってPPARγが活性化し標的遺伝子を抑制することや<ref name="ref5"><pubmed> 20834042 </pubmed></ref>、トリプルネガティブ乳がん([[wikipedia:Triple-negative breast cancer |Triple-negative breast cancer ]])でFABP7によって輸送されたDHAによりretinoid X receptorβ (RXRβ)が活性化し腫瘍の増殖を促進している可能性が示唆されている<ref name="ref6"><pubmed> 22322885 </pubmed></ref>。  


== 神経系での局在と機能  ==
== 神経系での局在と機能  ==
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