「脳室下帯」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
12行目: 12行目:
 [[げっ歯類]]と霊長類の脳室下帯は、基本構造に違いがある。以下は、詳細に研究されているげっ歯類の脳室下帯について述べ、最後の章においてヒトの脳室下帯を取り上げる。
 [[げっ歯類]]と霊長類の脳室下帯は、基本構造に違いがある。以下は、詳細に研究されているげっ歯類の脳室下帯について述べ、最後の章においてヒトの脳室下帯を取り上げる。


 脳室帯の放射状グリアは、出生後約1週間までに主に脳実質のアストロサイトに[[分化]]するが、一部は脳室周囲に留まり、[[上衣細胞]]や神経幹細胞としての能力を維持した特殊なアストロサイトに分化する<ref name=ref1><pubmed></pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed></pubmed></ref>。
 脳室帯の放射状グリアは、出生後約1週間までに主に脳実質のアストロサイトに[[分化]]するが、一部は脳室周囲に留まり、[[上衣細胞]]や神経幹細胞としての能力を維持した特殊なアストロサイトに分化する<ref name=ref1><pubmed>15574494</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>15634762</pubmed></ref>。


 上衣細胞は、脳室壁の表面に並んで単層上皮(上衣層)を構成し、出生後10日目ぐらいから多数の運動性の繊毛を発達させる<ref name=ref3><pubmed></pubmed></ref> <ref name=ref4><pubmed></pubmed></ref>。また、アストロサイト様の神経幹細胞は、産生した中間的な前駆細胞(一過性増殖細胞)・幼若な新生ニューロン([[ニューロブラスト]])とともに脳室下帯を形成する。出生後2週間ほどで、成体の脳室下帯とほぼ同等の形態になる。
 上衣細胞は、脳室壁の表面に並んで単層上皮(上衣層)を構成し、出生後10日目ぐらいから多数の運動性の繊毛を発達させる<ref name=ref3><pubmed>20305650</pubmed></ref> <ref name=ref4><pubmed>20685736</pubmed></ref>。また、アストロサイト様の神経幹細胞は、産生した中間的な前駆細胞(一過性増殖細胞)・幼若な新生ニューロン([[ニューロブラスト]])とともに脳室下帯を形成する。出生後2週間ほどで、成体の脳室下帯とほぼ同等の形態になる。


==成体の脳室下帯==
==成体の脳室下帯==