「自己意識」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/morita_morita 守田 知代]</font><br>
<font size="+1">[http://researchmap.jp/morita_morita 守田 知代]</font><br>
''大阪大学工学研究科''<br>
''大阪大学工学研究科''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年12月6日 原稿完成日:2013年月日<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年12月6日 原稿完成日:2014年12月24日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0048432 定藤 規弘](自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)<br>
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==脳内基盤==
==脳内基盤==
===自己顔処理に関する脳内基盤===
===自己顔処理に関する脳内基盤===
 [[脳機能イメージング]]技術の発達により、2000年頃から自己意識に関わる脳活動計測を行った研究が数多く報告されるようになった。例えば、Keenanら<ref><pubmed>11201730</pubmed></ref>は、他者の顔写真に比べて自分の顔を見ているときには、右側[[前頭頭頂]]ネットワークが強く活動することを報告している。このように自己顔認知への[[右半球]]優位性を示す結果が多い一方で、逆に左半優位性を示す結果も少なからずある<ref><pubmed>12195428</pubmed></ref>。これら自己顔に対する脳活動を示す脳領域は、自己の外面に対する自己意識が関係していると考えられる。
 [[脳機能イメージング]]技術の発達により、2000年頃から自己意識に関わる脳活動計測を行った研究が数多く報告されるようになった。例えば、Keenanら<ref><pubmed>11201730</pubmed></ref>は、他者の顔写真に比べて自分の顔を見ているときには、右側[[前頭頭頂領域]](BA44, BA40)が強く活動することを報告している。このように自己顔認知への[[右半球]]優位性を示す結果が多い一方で、逆に左半優位性を示す結果も少なからずある<ref><pubmed>12195428</pubmed></ref>。これら自己顔に対する脳活動を示す脳領域は、自己の外面に対する自己意識が関係していると考えられる。


===自己内省に関する脳内基盤===
===自己内省に関する脳内基盤===
 自己の内面に対する意識に関わる脳領域を調べるために、自己の身体状態、感情、特性などを評価する自己内省課題が用いられている。これらの課題を行っているときには、[[帯状回皮質]](cingulate cortex)や[[楔前部]](precuneus)を含む[[大脳皮質]]正中内側部構造(cortical midline structure)の活動が増大することが報告されている<ref><pubmed>15301749</pubmed></ref>(編集コメント:大脳皮質領域に関しましてはブロードマン領域番号が分かりましたらご記入ください)。
 自己の内面に対する意識に関わる脳領域を調べるために、自己の身体状態、感情、特性などを評価する自己内省課題が用いられている。これらの課題を行っているときには、[[前部帯状回皮質]](anterior cingulate cortex, BA32)、[[内側前頭前野]](medial prefrontal cortex, BA10)、[[後部帯状回皮質]](posterior cingulate cortex, BA 23/31)、および[[楔前部]](precuneus, BA7)を含む[[大脳皮質]]正中内側部構造(cortical midline structure)の活動が増大することが報告されている<ref><pubmed>15301749</pubmed></ref>(編集コメント:大脳皮質領域に関しましてはブロードマン領域番号が分かりましたらご記入ください)。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==