「行動テストバッテリー」の版間の差分

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 驚愕反応を引き起こす音刺激を提示する直前 (100 msec前) に、驚愕反応を引き起こさない程度の大きさの音 (プレパルス) を提示すると、驚愕反応が抑制される<ref name=ref14><pubmed>2292046</pubmed></ref>。この現象はプレパルス抑制 (PPI, prepulse inhibition) と呼ばれ、感覚運動統合制御、注意力の指標として用いられている。プレパルス抑制の大きさは、以下の計算式で求められる:
 驚愕反応を引き起こす音刺激を提示する直前 (100 msec前) に、驚愕反応を引き起こさない程度の大きさの音 (プレパルス) を提示すると、驚愕反応が抑制される<ref name=ref14><pubmed>2292046</pubmed></ref>。この現象はプレパルス抑制 (PPI, prepulse inhibition) と呼ばれ、感覚運動統合制御、注意力の指標として用いられている。プレパルス抑制の大きさは、以下の計算式で求められる:


[[image:行動テストバッテリー数式1.jpg|left|300px]]
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 プレパルス抑制はヒトでもほぼ同様のパラダイムで測定することができ、統合失調症<ref name=ref15><pubmed>11549216</pubmed></ref>や自閉症<ref name=ref16><pubmed>16460695</pubmed></ref>、ハンチントン病<ref name=ref17><pubmed>7876851</pubmed></ref>などの精神・神経疾患の患者でプレパルス抑制が低下していることが知られている。
 プレパルス抑制はヒトでもほぼ同様のパラダイムで測定することができ、統合失調症<ref name=ref15><pubmed>11549216</pubmed></ref>や自閉症<ref name=ref16><pubmed>16460695</pubmed></ref>、ハンチントン病<ref name=ref17><pubmed>7876851</pubmed></ref>などの精神・神経疾患の患者でプレパルス抑制が低下していることが知られている。
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====行動テストバッテリーによる解析に必要な個体数====
====行動テストバッテリーによる解析に必要な個体数====
行動テストバッテリーでの解析に必要な各群の被験体数は、検出しようとしている効果の大きさどの程度に想定するかによって異なる。例えば、2群比較においてそれぞれが正規分布に従うと仮定して効果量 が1の差、すなわち1標準偏差分の平均値の差、に対して十分な検出力 (statistic power > 0.80) を持つような被験体数は、各群について20匹程度となる<ref name=ref53>'''Cohen, J.'''<br>Statistical Power Analysis for the Behavioral Sciences.<br>''Routledge Academic'', 1988</ref>。
行動テストバッテリーでの解析に必要な各群の被験体数は、検出しようとしている効果の大きさどの程度に想定するかによって異なる。例えば、2群比較においてそれぞれが正規分布に従うと仮定して効果量  
 
 
[[image:行動テストバッテリー数式2.jpg|left|350px]]<br>
 
 
 
 
 
が1の差、すなわち1標準偏差分の平均値の差、に対して十分な検出力 (statistic power > 0.80) を持つような被験体数は、各群について20匹程度となる<ref name=ref53>'''Cohen, J.'''<br>Statistical Power Analysis for the Behavioral Sciences.<br>''Routledge Academic'', 1988</ref>。


 遺伝子変異マウスの解析については Crusio らが論文化に際しての基準を提唱しており、順守するべき項目として以下に示す8項目を挙げている<ref name=ref54><pubmed>18778401</pubmed></ref>。
 遺伝子変異マウスの解析については Crusio らが論文化に際しての基準を提唱しており、順守するべき項目として以下に示す8項目を挙げている<ref name=ref54><pubmed>18778401</pubmed></ref>。