「視点転換」の版間の差分

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 物理レベルでの視点転換には、[[前頭眼野]] (Frontal Eye Field)と[[側頭頭頂接合部]] (TPJ: Temporal Parietal Junction)が関与する<ref>'''乾 敏郎'''<br>視点と参照枠<br>乾 敏郎・吉川 左紀子・川口 潤 (編) よくわかる認知科学<br>''ミネルヴァ書房'', 2010</ref>。
 物理レベルでの視点転換には、[[前頭眼野]] (Frontal Eye Field)と[[側頭頭頂接合部]] (TPJ: Temporal Parietal Junction)が関与する<ref>'''乾 敏郎'''<br>視点と参照枠<br>乾 敏郎・吉川 左紀子・川口 潤 (編) よくわかる認知科学<br>''ミネルヴァ書房'', 2010</ref>。


 社会レベルでの視点転換には、[[内側前頭前野]] (medial prefrontal cortex)、[[楔前部]](precuneus)、側頭頭頂接合部が関与する<ref><pubmed> 23999082 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25496670 </pubmed></ref>。内側前頭前野は、例えば、視覚的なボール投げゲームを理解する際に、第一人称視点である自己の視点に関与することが知られている [8]。一方、 側頭頭頂接合部および楔前部は、ボール投げゲームを理解する際に、第三人称視点である他者の視点 [8]、登場人物の視点に立つことによる、物語内の空間的な情報処理<ref><pubmed> 19135072 </pubmed></ref>、誤信念課題によって測定される他者の信念を理解すること<ref><pubmed> 25042446 </pubmed></ref>などに関与することが明らかとなっている。
 社会レベルでの視点転換には、[[内側前頭前野]] (medial prefrontal cortex)、[[楔前部]](precuneus)、側頭頭頂接合部が関与する<ref><pubmed> 23999082 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25496670 </pubmed></ref>。内側前頭前野は、例えば、視覚的なボール投げゲームを理解する際に、第一人称視点である自己の視点に関与することが知られている [9]。一方、 側頭頭頂接合部および楔前部は、ボール投げゲームを理解する際に、第三人称視点である他者の視点 [9]、登場人物の視点に立つことによる、物語内の空間的な情報処理<ref><pubmed> 19135072 </pubmed></ref>、誤信念課題によって測定される他者の信念を理解すること<ref><pubmed> 25042446 </pubmed></ref>などに関与することが明らかとなっている。
さらに、近年では、視点転換にとって重要な脳領域である側頭頭頂接合部は、自己の理解と他者の理解を切り替えるために重要な役割を果たす領域としても知られている<ref><pubmed> 23122848 </pubmed></ref><ref><pubmed> 19517530 </pubmed></ref>。
さらに、近年では、視点転換にとって重要な脳領域である側頭頭頂接合部は、自己の理解と他者の理解を切り替えるために重要な役割を果たす領域としても知られている<ref><pubmed> 23122848 </pubmed></ref><ref><pubmed> 19517530 </pubmed></ref>。
心の理論に関与する内側前頭前野、楔前部(後部帯状回)、側頭頭頂接合部<ref><pubmed> 12689373 </pubmed></ref>[7]であることから、社会レベルでの視点転換の神経基盤と多くの部分が重なっている。
心の理論に関与する内側前頭前野、楔前部(後部帯状回)、側頭頭頂接合部<ref><pubmed> 12689373 </pubmed></ref>[8]であることから、社会レベルでの視点転換の神経基盤と多くの部分が重なっている。


== 関連項目 ==
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