15,998
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
(同じ利用者による、間の1版が非表示) | |||
8行目: | 8行目: | ||
{{box|text= 光受容細胞の一種であり、動物が物を見るとき、光シグナルを神経情報へと変換する働きを担っている。脊椎動物の網膜には、桿体と錐体の二種類の視細胞が存在する。桿体は暗いところで物を見る際に働き、錐体は明るいところで物を見る際に働く。どちらの細胞も、光に対しては過分極性の応答をする。応答の際には活動電位を発生せず、刺激の強度に応じて連続的に膜電位が変化する。桿体、錐体の網膜内での量比は動物により異なる。夜行性の動物では桿体の比率が多い。また、網膜内での桿体、錐体の分布も動物により異なる。ヒトでは、網膜に中心窩と呼ばれる錐体だけが密集した部位があり、この部分での視覚が視野の中心部となる。一方、霊長類以外の哺乳類では中心窩がなく、桿体と錐体が比較的均一に分布した網膜である。}} | {{box|text= 光受容細胞の一種であり、動物が物を見るとき、光シグナルを神経情報へと変換する働きを担っている。脊椎動物の網膜には、桿体と錐体の二種類の視細胞が存在する。桿体は暗いところで物を見る際に働き、錐体は明るいところで物を見る際に働く。どちらの細胞も、光に対しては過分極性の応答をする。応答の際には活動電位を発生せず、刺激の強度に応じて連続的に膜電位が変化する。桿体、錐体の網膜内での量比は動物により異なる。夜行性の動物では桿体の比率が多い。また、網膜内での桿体、錐体の分布も動物により異なる。ヒトでは、網膜に中心窩と呼ばれる錐体だけが密集した部位があり、この部分での視覚が視野の中心部となる。一方、霊長類以外の哺乳類では中心窩がなく、桿体と錐体が比較的均一に分布した網膜である。}} | ||
[[ファイル:Tachibanaki Fig1.png|サムネイル|'''図1. 眼球(左)・網膜(右)の断面の模式図''']] | [[ファイル:Tachibanaki Fig1.png|400px|サムネイル|'''図1. 眼球(左)・網膜(右)の断面の模式図''']] | ||
[[ファイル:Tachibanaki Fig2.png|サムネイル|'''図2. 桿体と錐体。魚類(コイ)の網膜から単離した桿体、錐体の写真と、それぞれの細胞の模式図'''<br>写真に示した単離細胞では、細胞体と神経終末が失われている。]] | [[ファイル:Tachibanaki Fig2.png|サムネイル|'''図2. 桿体と錐体。魚類(コイ)の網膜から単離した桿体、錐体の写真と、それぞれの細胞の模式図'''<br>写真に示した単離細胞では、細胞体と神経終末が失われている。]] | ||
==視細胞とは== | ==視細胞とは== | ||
117行目: | 117行目: | ||
==無脊椎動物の視細胞== | ==無脊椎動物の視細胞== | ||
無脊椎動物は、脊椎動物がもつ視細胞とは異なったタイプの視細胞を持つ。[[節足動物]]などでは受光部(感桿)が微絨毛由来である感桿型視細胞が一般的である。感桿型視細胞は、脊椎動物の視細胞とは異なり、光に対して脱分極性の応答をする。この違いは、光刺激を膜電位変化に変換するメカニズム(細胞内情報伝達過程)の違いによる。 | 無脊椎動物は、脊椎動物がもつ視細胞とは異なったタイプの視細胞を持つ。[[節足動物]]などでは受光部(感桿)が微絨毛由来である感桿型視細胞が一般的である。感桿型視細胞は、脊椎動物の視細胞とは異なり、光に対して脱分極性の応答をする。この違いは、光刺激を膜電位変化に変換するメカニズム(細胞内情報伝達過程)の違いによる。 | ||
==関連項目== | |||
* [[ロドプシン]] | |||
* [[色覚]] | |||
* [[網膜]] | |||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references /> | <references /> |