「視細胞」の版間の差分

編集の要約なし
87行目: 87行目:
===順応に関与するCa<sup>2+</sup>結合タンパク質===
===順応に関与するCa<sup>2+</sup>結合タンパク質===
 外節内Ca<sup>2+</sup>濃度の変化を感度の変化に結びつける働きをするタンパク質として、3種類のCa<sup>2+</sup>タンパク質([[S-モジュリン]](リカバリン)、GCAP、[[カルモジュリン]])が同定されている。
 外節内Ca<sup>2+</sup>濃度の変化を感度の変化に結びつける働きをするタンパク質として、3種類のCa<sup>2+</sup>タンパク質([[S-モジュリン]](リカバリン)、GCAP、[[カルモジュリン]])が同定されている。
 
==== S-モジュリン ====
 
=== S-モジュリン ===
 S-モジュリン(リカバリン)は、Ca<sup>2+</sup>濃度が高い時(暗時)に受容体キナーゼの働きを阻害する。このため、活性型視物質をリン酸化により不活性化する反応が抑制される。その結果、暗時には光情報伝達過程の働きが長く続き、大量のcGMPが分解され、大きく長い細胞応答が生じる。一方、明時にはS-モジュリンはCa<sup>2+</sup>非結合型となり、受容体キナーゼから解離する。このため、受容体キナーゼは効率よく活性型視物質を不活性化することが出来、結果として応答は大きくならず速やかに終息する<ref><pubmed> 1846944 </pubmed></ref><ref><pubmed> 15882641 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25673692 </pubmed></ref>[11][12][13]。
 S-モジュリン(リカバリン)は、Ca<sup>2+</sup>濃度が高い時(暗時)に受容体キナーゼの働きを阻害する。このため、活性型視物質をリン酸化により不活性化する反応が抑制される。その結果、暗時には光情報伝達過程の働きが長く続き、大量のcGMPが分解され、大きく長い細胞応答が生じる。一方、明時にはS-モジュリンはCa<sup>2+</sup>非結合型となり、受容体キナーゼから解離する。このため、受容体キナーゼは効率よく活性型視物質を不活性化することが出来、結果として応答は大きくならず速やかに終息する<ref><pubmed> 1846944 </pubmed></ref><ref><pubmed> 15882641 </pubmed></ref><ref><pubmed> 25673692 </pubmed></ref>[11][12][13]。


=== GCAP ===
==== GCAP ====
 Ca<sup>2+</sup>濃度が低いとき(明時)にグアニル酸シクラーゼを活性化する働きをする。この働きにより外節内のcGMPの濃度の回復が速やかに生じるので、暗時と比べて応答の持続時間は短く、応答も小さくなる<ref><pubmed> 7559656 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11493703 </pubmed></ref>[14][15]。
 Ca<sup>2+</sup>濃度が低いとき(明時)にグアニル酸シクラーゼを活性化する働きをする。この働きにより外節内のcGMPの濃度の回復が速やかに生じるので、暗時と比べて応答の持続時間は短く、応答も小さくなる<ref><pubmed> 7559656 </pubmed></ref><ref><pubmed> 11493703 </pubmed></ref>[14][15]。


=== カルモジュリン ===
==== カルモジュリン ====
 Ca<sup>2+</sup>濃度が高い時(暗時)にcGMP依存性カチオンチャネルに結合し、cGMP依存性カチオンチャネルにcGMPが結合しにくくする働きがある<ref><pubmed> 7678445 </pubmed></ref>[16]。このため、暗時にはcGMP依存性カチオンチャネルからcGMPが外れてチャネルが閉じやすくなるので、明時より細胞の応答が生じやすくなる。
 Ca<sup>2+</sup>濃度が高い時(暗時)にcGMP依存性カチオンチャネルに結合し、cGMP依存性カチオンチャネルにcGMPが結合しにくくする働きがある<ref><pubmed> 7678445 </pubmed></ref>[16]。このため、暗時にはcGMP依存性カチオンチャネルからcGMPが外れてチャネルが閉じやすくなるので、明時より細胞の応答が生じやすくなる。