「視覚系の発生」の版間の差分

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 水晶体板の形成にはPax6が必要であり、Pax6を発現している頭部表皮外胚葉は、眼胞からの水晶体誘導シグナルに応答できるようになる。Pax6は、転写因子Sox2の水晶体原基での遺伝子発現を促進し、水晶体分化を正に制御する(図9)。眼胞から分泌される[[骨形成因子4]] [[(Bone Morphogenic Factor 4]]: [[BMP4]])も、Sox2および別の転写因子である[[L-maf]]の発現を上昇させ維持する。さらにPax6により[[ホメオボックス遺伝子]]である[[Six3]]と[[Prox1]]の発現が制御される。Pax6, Sox2, L-mafの協調的な作用により[[Prox1]]の発現が開始され、Prox1は水晶体特異的タンパク質であるクリスタリン遺伝子の発現を促して、水晶体分化を進める。一方、Six3は[[クリスタリン]]遺伝子の発現を負に制御する。  
 水晶体板の形成にはPax6が必要であり、Pax6を発現している頭部表皮外胚葉は、眼胞からの水晶体誘導シグナルに応答できるようになる。Pax6は、転写因子Sox2の水晶体原基での遺伝子発現を促進し、水晶体分化を正に制御する(図9)。眼胞から分泌される[[骨形成因子4]] ([[Bone Morphogenic Factor 4]], [[BMP4]])も、Sox2および別の転写因子である[[L-maf]]の発現を上昇させ維持する。さらにPax6により[[ホメオボックス遺伝子]]である[[Six3]]と[[Prox1]]の発現が制御される。Pax6, Sox2, L-mafの協調的な作用により[[Prox1]]の発現が開始され、Prox1は水晶体特異的タンパク質であるクリスタリン遺伝子の発現を促して、水晶体分化を進める。一方、Six3は[[クリスタリン]]遺伝子の発現を負に制御する。


=== 網膜細胞分化 ===
=== 網膜細胞分化 ===