「覚醒剤」の版間の差分

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== 認知機能への影響  ==
== 認知機能への影響  ==


 [[wikipedia:ja:ラット|ラット]]におけるメタンフェタミンの自己投与実験により、メタンフェタミンを自己投与できる時間が長いと、その後メタンフェタミンの摂取を中止しても新しい物体の[[認知]]が低下していることが示されている<ref><pubmed>18493748</pubmed></ref>。また、[[海馬]][[歯状回]]では[[下顆粒層細胞]]で[[神経細胞の新生]]が起こることが知られているが、メタンフェタミンを自己投与したラットの海馬歯状回では神経細胞の新生が損なわれており<ref><pubmed>18490002</pubmed></ref>、このような認知機能への影響の背景となっている可能性がある。 ヒトを対象とした研究においてもメタンフェタミン依存者における認知機能の障害が認められている。たとえば、メタンフェタミン依存群と統制群に対してメタンフェタミン関連刺激とニュートラル刺激を用いた[[ゴー・ノーゴー課題]]を実施した実験<ref><pubmed>22257306</pubmed></ref>では、メタンフェタミン関連刺激が提示されていない時にもメタンフェタミン依存群は統制群よりも[[反応時間]]の遅延し、反応抑制エラー率および反応エラー率が高かった。メタンフェタミン関連刺激の提示中、メタンフェタミン依存群のみにおいて反応エラー率と反応抑制エラー率の両方が顕著に上昇しており、その時の彼らの反応エラー率は渇望感スコアと相関が見られた。
 [[wikipedia:ja:ラット|ラット]]におけるメタンフェタミンの自己投与実験により、メタンフェタミンを自己投与できる時間が長いと、その後メタンフェタミンの摂取を中止しても新しい物体の[[認知]]が低下していることが示されている<ref><pubmed>18493748</pubmed></ref>。また、[[海馬]][[歯状回]]では[[下顆粒層細胞]]で[[神経細胞の新生]]が起こることが知られているが、メタンフェタミンを自己投与したラットの海馬歯状回では神経細胞の新生が損なわれており<ref><pubmed>18490002</pubmed></ref>、このような認知機能への影響の背景となっている可能性がある。 ヒトを対象とした研究においてもメタンフェタミン依存者における認知機能の障害が認められている。たとえば、メタンフェタミン依存群と統制群に対してメタンフェタミン関連刺激とニュートラル刺激を用いた[[GO/NOGO課題]]を実施した実験<ref><pubmed>22257306</pubmed></ref>では、メタンフェタミン関連刺激が提示されていない時にもメタンフェタミン依存群は統制群よりも[[反応時間]]が遅延し、反応抑制エラー率および反応エラー率が高かった。メタンフェタミン関連刺激の提示中、メタンフェタミン依存群のみにおいて反応エラー率と反応抑制エラー率の両方が顕著に上昇しており、その時の彼らの反応エラー率は渇望感スコアと相関が見られた。


== 法律  ==
== 法律  ==