「解離症」の版間の差分

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英:dissociative disorders  独:dissoziative Störungen  仏:troubles dissociatifs
英:dissociative disorders  独:dissoziative Störungen  仏:troubles dissociatifs


{{box|text= 現代の解離理論は、解離を心的外傷による人格機能の低下によると考えたJanet Pの考えに基づいている。DSM-5は解離症の特徴を「意識、記憶、同一性、情動、知覚、身体表象、運動制御、行動の正常な統合における破綻(disruption)および/または不連続(discontinuity)」としている。下位分類としては、解離性健忘、離人感・現実感消失症、解離性同一症、他の特定の解離症、特定されない解離症などがある。症候は離人感や体外離脱体験などの離隔、健忘や人格交代などの区画化、精神病様症状(その多くは侵入体験)と3つに分けられる。解離症には心的外傷や虐待の既往が高頻度にみられる。とりわけ解離性同一症(DID)ではその頻度が高く、北米の報告では約80~90%が性的虐待、約70%が身体的虐待を受けている。治療の基本的枠組みとしては段階的治療がある。第1段階の安心・安全と症状低減から第2段階の外傷記憶の統合へ、さらに第3段階の人格の統合とリハビリテーションへと、患者の安定度に合わせて進めることが必要である。}}
{{box|text= 解離症とは、通常は統合されている自己の意識、記憶、同一性などが、強い心的外傷体験などによって障害された結果、正常な精神機能の喪失(健忘など)、あるいは精神機能の変容(同一性の変容、離人感、現実感消失など)が生じるものである。現代の解離理論は、解離を心的外傷による人格機能の低下によると考えたJanet Pの考えに基づいている。DSM-5は解離症の特徴を「意識、記憶、同一性、情動、知覚、身体表象、運動制御、行動の正常な統合における破綻(disruption)および/または不連続(discontinuity)」としている。下位分類としては、解離性健忘、離人感・現実感消失症、解離性同一症、他の特定の解離症、特定されない解離症などがある。症候は離人感や体外離脱体験などの離隔、健忘や人格交代などの区画化、精神病様症状(その多くは侵入体験)と3つに分けられる。解離症には心的外傷や虐待の既往が高頻度にみられる。とりわけ解離性同一症(DID)ではその頻度が高く、北米の報告では約80~90%が性的虐待、約70%が身体的虐待を受けている。治療の基本的枠組みとしては段階的治療がある。第1段階の安心・安全と症状低減から第2段階の外傷記憶の統合へ、さらに第3段階の人格の統合とリハビリテーションへと、患者の安定度に合わせて進めることが必要である。}}


==歴史==
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