軸索

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寺田 純雄、川岸 将彦
東京医科歯科大学
DOI:10.14931/bsd.5399 原稿受付日:2014年9月4日 原稿完成日:2014年月日
担当編集委員:河西 春郎(東京大学 大学院医学系研究科)

英:axon 独:Axon 仏:axone 羅:axon

 軸索とは、神経細胞細胞体から伸びる突起を、形態的な特徴から2つに分類したうちの一つである (他方は樹状突起)。樹状突起は、基部で太いが末梢に行くに連れて細くなる形態なのに対し、軸索は、基部で細いが、そのまま末梢まで全長でほぼ同じ太さを保つ。神経細胞につき通常1本存在し、その神経細胞から伸びる最も長い突起である事が多い。電気的興奮を伝えるという機能を持ち、他の神経細胞や効果器への情報の出力を担う事が多い。

神経突起の分類

 神経細胞の形態上の特徴として、のある細胞体から、一本 - 多数の長い神経突起が伸びる事が挙げられる。これらの突起は、形態や性質の点から、大きく二つに分類され、それぞれ、樹状突起と軸索と呼ばれる ()。神経細胞は、方向性をもって電気的興奮をに伝えるという機能を持つが、樹状突起と軸索と言う形態上の分類は、この機能と密接に関わっていて、一般に、

  • 樹状突起: 入力の場[注 1]。他の神経細胞、感覚器官などから情報を受け取る。[注 2]
  • 軸索: 出力の場[注 3]。他の神経細胞、筋肉などの効果器へ情報を伝える。

と考えられている。

 但し、突起の中の部位による機能分化も存在するので、形態的分類と、機能的分類が単純に1:1で対応する訳ではない。樹状突起、軸索という分類は、基本的に形態上の名称である。

特徴

 軸索には樹状突起と比較して、 主に形態的な面から、以下の図表にまとめる様な特徴がある。

軸索と樹状突起の形態的特徴[1]
表. 軸索と樹状突起の比較
軸索特徴樹状突起
通常、1本[注 4] 本数 通常、複数[注 5]
比較的少数 分枝 多数
基部では細く、他の樹状突起よりも細い事が多いが、そのまま全長で、ほぼ同じ太さを保つ。 太さ 基部で太く、先に行くに連れて細くなる。
しばしば、同じ神経細胞から伸びる最も長い突起である。末梢神経では、1 mに達する物もある。 長さ 細胞体から、数百µm程度の範囲に広がる。
細胞体から、或いは樹状突起の途中から伸び出す。軸索起始部 (軸索起始円錐軸索初節)と呼ばれる特別な構造をとる。 基部の構造 細胞体から伸び出す。細胞体と類似·連続した構造をとる。
比較的平滑 輪郭 樹状突起棘 (スパイン)などの付加構造物の存在の為、複雑な物が多い。
成熟した軸索では、無し。(傷害を受けて再生中の場合などの例外を除く。) リボソーム粗面小胞体 (タンパク質合成)の存在 有り。
主にニューロフィラメント微小管から成る。細胞膜直下や成長円錐の近傍に少数のアクチンが見られる。微小管は、近位側を-端(脱重合端)、遠位側を+端(重合端)とする極性を持つ。 細胞骨格要素 主に微小管から成る。細胞膜直下や成長円錐の近傍に少数のアクチンが見られる。微小管は、樹状突起の近位部では、様々な極性を持ったものが混在しているが、樹状突起の遠位部では、遠位側を+端とする極性を持つ。
持つ物(有髓軸索)と、持たない物(無髓軸索)とが有る。 髓鞘の存在 無し
一度発生した電位は、殆ど減衰せずに伝導する。 膜電位変化の強度 部位によって強度が変化する。複数の入力を統合すると考えられる。

発生

極性分化

 神経突起の形成に於いて、初めに伸びだすのは、未分化の突起で、それが後に、軸索と樹状突起とに分化する。その過程は、ラット胎児海馬由来の初代培養ニューロンの系を主なモデルとして研究が進められており、次のような段階を踏むとされている[2]

  1. 葉状仮足 (lamellipodia) (培養0.25日)
  2. 小突起 (minor processes) (培養0.5日)
  3. 軸索伸長の開始 (axonal outgrowth) (培養1.5日)
  4. 樹状突起伸長の開始 (dendritic outgrowth) (培養4日)
  5. 成熟 (培養>7日)

 軸索の分化·成熟は、樹状突起の分化·成熟よりも早期に起こり、最初に運命が決定するのは軸索の方であると考えられている。分化の初期段階では、軸索への分化を運命付けられなかった残りの神経突起も、状況の変化により、軸索へ分化する能力を持っているが、成熟が進むに連れて、他の突起は次第に樹状突起に分化する。

 この、軸索と樹状突起という、極性分化の過程に於いて、in vivoに於いて何が最初の切っ掛けになっているのかは、未だ一致した結論は得られていない。しかし、軸索分化の途中の過程や、関連する過程の分子機構については、多数の所見が報告されており、様々な低分子量GTP結合タンパク質や関連タンパク質の関与が示唆される。

  • 何らかの仕組みによりRap1Bが活性化し、未分化神経突起の一つに局在化する。

  ↓
  これが、Cdc42PAR複合体の、その突起への局在化、活性化を引き起こす。
  ↓
  更にRac1の活性化が起こる。
  ↓
  Cdc42やRac1の活性化は、神経突起先端の成長円錐の葉状仮足や糸状仮足の形成を活性化する働きがあり、結果として、突起の軸索への分化を促進する。

  • RhoAは、逆に成長円錐を壊し、軸索分化を抑制するように働く。
  • Rac1とRhoAとの活性は、Rac1のGEFであるTiam1[3]DOCK7[4]により、拮抗的に修飾される。
  • 軸索への分化初期の突起中の微小管を構成するチュブリン分子では、アセチル化などの翻訳後修飾の割合が上昇している。これによる微小管の安定化も、軸索の分化の一つの過程である[5]

伸長・再生

 成長中の神経突起の先端には、成長円錐があり、突起の伸長は、そこで起こる。成長円錐の周辺部では、周囲に向って葉状仮足や糸状仮足が伸び出し、アクチンを中心とする細胞骨格の盛んな動態が見られる。成長円錐の中心部には、突起の中から連続する微小管の先端が存在し、この微小管の重合、脱重合によって、突起の伸縮が起こる。この成長円錐には、多くの接着分子や、軸索ガイダンス因子受容体などが存在し、軸索の伸長方向、経路決定に重要な働きをしていると考えられている。

 詳細は、軸索伸長成長円錐の項を参照。

 標的細胞、器官に到達した軸索はシナプスを形成して成熟する。しかし、それは必ずしも固定された物ではなく、一定の動的は再構築を起こし得るものである(個体の発生途上や、学習におけるリモデリング、又、損傷や機能不全からの再生など)。

 主に軸索損傷後の再生についての詳細は、軸索再生の項を参照。

軸索起始円錐と軸索初節

 軸索は、活動電位の伝導に関わる突起である。樹状突起や細胞体で受容した刺戟は、細胞体に於いて統合され、軸索の基部に於いて活動電位の発火という形で出力される。従って、軸索の基部には、その機能の為に特別に分化した部位が見られ、軸索起始円錐と軸索初節とが挙げられる。

軸索起始円錐

Axon hillock

 軸索小丘とも呼ばれる。細胞体の一部で、軸索初節に繋る部位にあり、樹状突起や細胞体で受容した刺戟の、最終的な統合が行われる部位であると考えられている。外形上は細胞体の一部であるが、この部位の細胞膜には、電位依存性イオンチャネルの著明な集積が見られ、細胞体の他の部位とは異なる機能分化を起こしている。細胞質内では、微小管がこの部位では複数の束を形成して、軸索初節に向って収斂する樣に走行する。又、細胞体の中に広く分布していた粗面小胞体は、この起始円錐では見られなくなるが、少数のリボソームは存在する。

軸索初節

Axon initial segment

 軸索起始部と呼ばれる事もあるが、軸索起始部という用語は、軸索起始円錐と同義に使われたり、初節と起始円錐の総称の意に使われたりする例など混用が多い為、ここでは混乱を避けるため、"軸索初節"を用いる。軸索起始円錐の遠位側に続き、細胞体での情報の統合に基いて、活動電位の発火が起こる部位である。

 形態的には、細胞膜直下の裏打ち構造が特徴的である。この膜の裏打ち構造は、電子顕微鏡では電子密度の高い領域として観察されるが[6]、その実体は、アンキリンGβIV-スペクトリンPSD-93電位依存性ナトリウムチャネル電位依存性カリウムチャネルなどが高密度に集積したものである。これらは、活動電位の発火という機能に関連すると考えられる。軸索起始円錐で見られた微小管の束化は、ここでも見られ、長軸方向に走行するが、軸索初節の遠位部で見られなくなり、その先の軸索では、再び一本一本ばらばら分かれた微小管が走行する。リボソームも遠位側に向けて減少し、軸索初節の遠位部で見られなくなる。

 細胞膜の膜タンパク質は、通常は自由に膜内を流動、拡散する事が知られているが、軸索初節は、細胞膜を、細胞体 + 樹状突起領域と軸索領域とに区切る障壁となっていて、各領域の膜タンパク質は、他方の領域へ自由に拡散出来無いようになっている。従って、細胞体 + 樹状突起領域と軸索領域とで、細胞膜に存在する膜タンパク質の分布は異なっている。軸索の構造や、特徴的な膜タンパク質の分布の維持の為には、細胞体や樹状突起とは異なり、軸索に対応した輸送の振分け、極性輸送が必要である。その分子機構としては、モーター分子と輸送される分子との間の結合制禦などが考えられるが、軸索初節の微小管の特性の役割も示唆されている[7]

髓鞘

 軸索初節よりも遠位側では、軸索によっては、シュワン細胞 (末梢神経系)やオリゴデンドロサイト (中枢神経系)の突起が何重にも密に取り囲んで形成される髓鞘に包まれる。これらの軸索を有髓線維と呼び、髓鞘を持たない軸索を無髓線維と呼ぶ。ただし、末梢神経系では、有髓線維も無髓線維も共に、シュワン細胞の細胞体によって直接包み込まれるため、有鞘線維に分類される。一方、中枢神経系では、オリゴデンドロサイトの細胞体は、髓鞘により被覆する軸索からやや離れて存在するため、無鞘線維に分類される。

 髓鞘の構造や、それを形成する細胞については、髓鞘オリゴデンドロサイトの項を参照。

 髓鞘の機能は、軸索を保護し、絶縁する事である。軸索初節で発生した活動電位は、髓鞘で被覆されていないランヴィエ絞輪と呼ばれる箇所(軸索の基部と同様、活動電位の発火のための特異的な膜の裏打ち構造を有し、電位依存性チャネルやアンキリンなどが集積するが、微小管の束化はみられない)を跳び跳びに伝導する。これを跳躍伝導と呼ぶ。

軸索における活動電位の伝導-興奮伝導-の仕組み

 軸索のような一様な径の管状の細胞膜に囲まれた突起中の細胞質に与えられた刺激電流による電位変化(電気緊張性電位)は海底ケーブルにおける電気伝導を記述するケーブル方程式と同様の電気的特性を示す。すなわち電位変化は刺激電流の注入箇所から離れるにつれて指数関数的に減少する。突起が細く、膜抵抗が低いほどこの減衰は著しい。軸索基部で発生する活動電位は静止膜の時定数と比較して短く、軸索のケーブル特性だけで軸索末端まで信号を送り届けること、すなわち興奮伝導は不可能である。このため、軸索には活動電位を伝える、興奮伝導のための特別な仕組みが存在する。軸索起始部における活動電位発生時には、同部において電位依存性ナトリウムチャネルの開放による内向き電流が生じる。軸索起始部における通常の活動電位の発火では、より末梢側の軸索膜が、興奮部に由来する外向き電流で刺激され、脱分極、興奮し、新たに活動電位を発生する。この新たな活動電位が同部において内向き電流を引き起こし、その近傍で外向き電流が発生する。その結果、同部より更に軸索末端側の軸索膜が新たに脱分極する。他方、興奮部より細胞体側では、興奮後しばらくは電位依存性ナトリウムチャネルが不活化状態にあり、電位依存性カリウムチャネルの開放により膜が再分極するために再度興奮することはない。このため、活動電位は細胞体から軸索末端側へ一方向性に進行する。伝導の速さは興奮部位の電位依存性チャネルの密度・開閉の速さと、静止部軸索の入力抵抗とのバランスで決まる。

 このように、興奮伝導は、無髄軸索の場合には軸索に沿って連続的に伝播する。軸索が髄鞘で被覆される有髄軸索の場合、被覆された部分の膜抵抗は高く、膜容量は小さい。髄鞘による被覆が途切れるランヴィエ絞輪部には電位依存性ナトリウムチャネルが高密度に局在し、カリウムチャネルも絞輪部近接部に存在するため、有髄軸索における興奮伝導は、絞輪部から隣接する絞輪部へ跳び跳びに、極めて高速におこる。この伝導様式を跳躍伝導と呼ぶ[8]。隣接する絞輪部間の距離は、髄鞘で被覆される部分の膜容量と軸索の太さの兼ね合いで至適値が決まり、通常軸索外径の100倍程度である。

末梢神経軸索の太さと伝導速度による分類

 無髄軸索の興奮伝導の速さは軸索半径の平方根に比例する。有髄軸索の跳躍伝導の場合、その速さは軸索半径にほぼ比例する。一般に無髄軸索より有髄軸索の方が太く、伝導速度も大きい。有髄軸索の中では径が大きいものほど伝導は速い。末梢神経の軸索は接続する効果器、受容器によって、有髄か無髄か、径はどの程度かが大まかに決まっており、古くから髄鞘の有無、径の太さ、伝導速度の観点から下表のように分類されてきた。ローマ数字(Lloyd)と文字(Erlanger, Gasser)の分類の間で基準となった動物種や接続する効果器、受容器には相違があるが、しばしば併用される。

神経線維の分類
ローマ数字(Lloyd)(太さから分類) 線維直径(μm) 文字(Erlanger, Gasser)(速度から分類) 伝導速度(m/s) 主な機能
有髄神経 Ia, Ib 12-20 70-120 Ia:筋紡錘一次感覚神経、Ib:ゴルジ腱器官
- 12-20 α 70-120 筋紡錘錘外神経
II 6-12 30-70 筋紡錘二次感覚神経、識別的触圧覚
- 2-10 γ 10-50 筋紡錘運動神経
III 1-6 5-30 温痛覚、臓性知覚
- <3 B 3-15 自律神経節前線維
無髄神経 IV <1.5 C 0.5-2 原始的触圧覚(IV)、自律神経節後線維(C)

跳躍伝導を含めて、軸索の電気的活動の詳細は、有髓線維ランヴィエ絞輪伝導活動電位、の項を参照。

軸索輸送

 軸索内には、リボソームが見られず、タンパク質の合成が殆ど行われない。従って、軸索や、その先端のシナプスで必要なタンパク質の殆どは、細胞体で合成されて、軸索内を運ばれる必要がある。神経細胞では、この軸索輸送の系が非常に発達している。(古くは、軸索流という用語も用いられたが、原形質流動 (アクチン系のモータータンパク質が関与する。)とは機構が異なり、流体の流れによるものではなく、特定の物質の特定の方向、速さでの輸送なので、"軸索輸送"という用語の方が適当であろう。)

 軸索輸送は、種々の膜小器官やタンパク質複合体が双方向性に運ばれる"速い軸索輸送" (50 - 400 mm/day)と、細胞質中の可溶性のタンパク質や細胞骨格タンパク質などが運ばれる"遅い軸索輸送" (<8 mm/day)とに大別される。速い軸索輸送の分子機構の研究は進んでおり、微小管を線路として働くキネシンダイニンなどのモータータンパク質の機能が明らかにされている。前者は主として軸索末端へ向かう順行性輸送に、後者は細胞体へ向かう逆行性輸送に関与する。輸送の方向はモータータンパク質の性質と、軸索内における微小管の極性の均一性に依存している。

 軸索輸送の分子機構の詳細は、軸索輸送の項を参照。

関連項目

注釈

  1. 嗅球僧帽細胞顆粒細胞との間などで見られるような樹状突起 - 樹状突起間のシナプスでは、樹状突起からの出力も見られる。
  2. 例えば、脊髓後根神経節などの感覚神経節のニューロンでは、感覚器官からの情報は、樹状突起ではなく軸索を通して細胞体の方向へ伝えられる。
  3. 脊髓後角痛覚伝導路で見られるような軸索 - 軸索間のシナプスでは、軸索への入力もみられる。
  4. 網膜アマクリン細胞は軸索を持たず、樹状突起のみである。
  5. 脊髓後根神経節などの感覚神経節のニューロンは、樹状突起を持たず、一本の軸索のみを持つ。

参考文献

  1. 寺田純雄, 小林靖. (2009). 
    「神経解剖学の見方、考え方」 樹状突起と軸索(1) クリニカルニューロサイエンス, 27(5), 476-477.
  2. Dotti, C.G., Sullivan, C.A., & Banker, G.A. (1988).
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  3. Kunda, P., Paglini, G., Quiroga, S., Kosik, K., & Caceres, A. (2001).
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