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 軸索内には、リボソームが見られず、タンパク質の合成が殆ど行われない。従って、軸索や、その先端のシナプスで必要なタンパク質の殆どは、細胞体で合成されて、軸索内を運ばれる必要がある。神経細胞では、この[[軸索輸送]]の系が非常に発達している。(古くは、軸索流という用語も用いられたが、[[wikipedia:ja:原形質流動|原形質流動]] (アクチン系の[[モータータンパク質]]が関与する。)とは機構も全く異なり、流体の流れによるものではなく、特定の物質の特定の方向、速さでの輸送なので、"軸索輸送"という用語の方が適当であろう。)
 軸索内には、リボソームが見られず、タンパク質の合成が殆ど行われない。従って、軸索や、その先端のシナプスで必要なタンパク質の殆どは、細胞体で合成されて、軸索内を運ばれる必要がある。神経細胞では、この[[軸索輸送]]の系が非常に発達している。(古くは、軸索流という用語も用いられたが、[[wikipedia:ja:原形質流動|原形質流動]] (アクチン系の[[モータータンパク質]]が関与する。)とは機構も全く異なり、流体の流れによるものではなく、特定の物質の特定の方向、速さでの輸送なので、"軸索輸送"という用語の方が適当であろう。)


 軸索輸送は、種々の膜小器官やタンパク質複合体が双方向性に運ばれる"速い軸索輸送" (50 - 400 mm/day)と、細胞質中の可溶性のタンパク質や[[細胞骨格]]タンパク質などが運ばれる"遅い軸索輸送" (<8 mm/day)とに大別される。速い軸索輸送の分子機構の研究は進んでおり、微小管を線路として働く[[キネシン]]、[[ダイニン]]などのモータータンパク質の機能が明らかにされている。
 軸索輸送は、種々の膜小器官やタンパク質複合体が双方向性に運ばれる"速い軸索輸送" (50 - 400 mm/day)と、細胞質中の可溶性のタンパク質や[[細胞骨格]]タンパク質などが運ばれる"遅い軸索輸送" (<8 mm/day)とに大別される。速い軸索輸送の分子機構の研究は進んでおり、微小管を線路として働く[[キネシン]]、[[ダイニン]]などのモータータンパク質の機能が明らかにされている。前者は主として軸索末端へ向かう順行性輸送に、後者は細胞体へ向かう逆行性輸送に関与する。輸送の方向はモータータンパク質の性質と、軸索内における微小管の極性の均一性に依存している。


 ''軸索輸送の分子機構の詳細は、[[軸索輸送]]の項を参照。''
 ''軸索輸送の分子機構の詳細は、[[軸索輸送]]の項を参照。''
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