「追跡眼球運動」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0140270 稲場 直子]、[http://researchmap.jp/kenjikawano 河野 憲二]</font><br>
''京都大学 大学院医学研究科''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月31日 原稿完成日:2012年12月28日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/tadashiisa 伊佐 正](自然科学研究機構 生理学研究所)<br>
</div>
英:smooth pursuit eye movement、英略語:SPEM
英:smooth pursuit eye movement、英略語:SPEM


同義語:滑動性眼球運動、円滑性追跡眼球運動<br>  
同義語:滑動性眼球運動、円滑性追跡眼球運動<br>  


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 追跡眼球運動は、ゆっくり動く[[視覚]]対象物の[[網膜]]像を網膜[[中心窩]]付近に維持し、その動きに合わせて視線を滑らかに動かす時に起こる随意性眼球運動を指す。ヒトやサルなど、網膜中心窩の発達した霊長類で特によく発達している。
 追跡眼球運動は、ゆっくり動く[[視覚]]対象物の[[網膜]]像を網膜[[中心窩]]付近に維持し、その動きに合わせて視線を滑らかに動かす時に起こる随意性眼球運動を指す。ヒトやサルなど、網膜中心窩の発達した霊長類で特によく発達している。
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== 追跡眼球運動とは ==
== 追跡眼球運動とは ==


 ヒトでは眼球をおおよそ50°/秒まで滑らかに動かすことができる。追跡眼球運動を起こすためには通常は絶えず視覚対象を必要とし、視覚対象の速度に対する眼球速度の比(ゲイン)はヒトで0.7-0.9である。  
 追跡眼球運動は、ゆっくり動く[[視覚]]対象物の[[網膜]]像を網膜[[中心窩]]付近に維持し、その動きに合わせて視線を滑らかに動かす時に起こる随意性眼球運動を指す。ヒトやサルなど、網膜中心窩の発達した霊長類で特によく発達している。ヒトでは眼球をおおよそ50°/秒まで滑らかに動かすことができる。追跡眼球運動を起こすためには通常は絶えず視覚対象を必要とし、視覚対象の速度に対する眼球速度の比(ゲイン)はヒトで0.7-0.9である。  


== 制御モデル  ==
== 制御モデル  ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==


<references />  
<references />
 
 
(執筆者:稲場直子、河野憲二 担当編集委員:伊佐正)

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