「開口確率」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
 
(2人の利用者による、間の5版が非表示)
1行目: 1行目:
<div align="right"> 
<font size="+1">[http://researchmap.jp/kazuharu_furutani 古谷 和春]、[http://researchmap.jp/read0042758 倉智 嘉久]</font><br>
''大阪大学 医学系研究科''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年7月9日 原稿完成日:2013年8月20日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/2rikenbsi 林 康紀](独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター)<br>
</div>
英:open probability、英語略:''P''<sub>o</sub> 独:Offenwahrscheinlichkeit 仏:probabilité d'ouverture
英:open probability、英語略:''P''<sub>o</sub> 独:Offenwahrscheinlichkeit 仏:probabilité d'ouverture


 [[イオンチャネル]]の[[シングルチャネル記録]]を行なうと、チャネルの開閉が[[wikipedia:ja:確率論|確率論]]的な振る舞いをすることが分かる(図1A)。イオンチャネルが開いた状態にある確率を開口確率という。イオンチャネルの開きやすさの指標として用いられ、イオンチャネルの個数N、シングルチャネル電流iとともに[[生体膜]]のイオン電流量を規定する。  
{{box|text=
 [[イオンチャネル]]の[[シングルチャネル記録]]を行なうと、チャネルの開閉が[[wikipedia:ja:確率論|確率論]]的な振る舞いをすることが分かる(図1A)。イオンチャネルが開いた状態にある確率を開口確率(もしくは開確率)という<ref>'''Bertil Hille''' <br>Ion Channels of Excitable Membrane third edition<br>Sinauer Associates,Inc.(Massachusetts,USA)</ref>。イオンチャネルの開きやすさの指標として用いられ、イオンチャネルの個数N、シングルチャネル電流iとともに[[生体膜]]のイオン電流量を規定する。  


I=N''P''<sub>o</sub>i  
I=N''P''<sub>o</sub>i  
8行目: 16行目:


 イオンチャネルの機能は[[膜電位]]変化や選択的な[[リガンド]]との結合で制御されるが、このような場合、開口確率が変化していることが多い。  
 イオンチャネルの機能は[[膜電位]]変化や選択的な[[リガンド]]との結合で制御されるが、このような場合、開口確率が変化していることが多い。  
}}


== 開口確率の求め方 ==
== 開口確率の求め方 ==
39行目: 48行目:
*[[パッチクランプ法]]
*[[パッチクランプ法]]


(執筆者:古谷和春、倉智嘉久 担当編集委員:林康紀)
== 参考文献 ==
 
<references />