「限局性恐怖症」の版間の差分

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== 診断 ==
== 診断 ==
 DSM-5<ref name=American2013></ref>9による診断基準は以下の通りである。
 DSM-5<ref name=American2013></ref>9による診断基準は'''表1'''の通りである。
A. 特定の対象や状況(例えば飛行、高所、動物、注射、血を見ること)に対する激しい恐怖や不安(子どもでは、泣き叫ぶ、癇癪、すくみ、まといつきで表現されることもある)がある。
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B. 恐怖の対象や状況はほとんどいつも即座に恐怖や不安を引き起こす。
|+表. DSM-5による恐怖症の診断基準
C. 恐怖の対象や状況を積極的に避けるか、激しい恐怖や不安を感じながら耐え忍んでいる。
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D. その恐怖や不安は、その恐怖の対象や状況によってもたらされる実際の危険に釣り合わず、社会文化的背景に鑑みても不相応なものである。
| A. 特定の対象や状況(例えば飛行、高所、動物、注射、血を見ること)に対する激しい恐怖や不安(子どもでは、泣き叫ぶ、癇癪、すくみ、まといつきで表現されることもある)がある。<br>
E. その恐怖、不安、または回避は持続性のものであり、典型的には6ヵ月以上続いている。
B. 恐怖の対象や状況はほとんどいつも即座に恐怖や不安を引き起こす。<br>
F. その恐怖、不安、または回避は、臨床的に著しい苦痛があるか、社会的、職業的、または他の重要な分野での機能に障害を引き起こしている。
C. 恐怖の対象や状況を積極的に避けるか、激しい恐怖や不安を感じながら耐え忍んでいる。<br>
D. その恐怖や不安は、その恐怖の対象や状況によってもたらされる実際の危険に釣り合わず、社会文化的背景に鑑みても不相応なものである。<br>
E. その恐怖、不安、または回避は持続性のものであり、典型的には6ヵ月以上続いている。<br>
F. その恐怖、不安、または回避は、臨床的に著しい苦痛があるか、社会的、職業的、または他の重要な分野での機能に障害を引き起こしている。<br>
G. その障害は、以下に列挙するような、(おなじく恐怖、不安、状況の回避などの症状を認める)他の精神疾患の症状としては、うまく説明できない。例えば、広場恐怖症にみられるようなパニック様症状や無能力的な状態、強迫症にみられるような強迫観念に関係する対象や状況、心的外傷後ストレス障害にみられるような外傷的な出来事を想起させる物、分離不安症にみられるような家や愛着のある人物からの分離、社交不安症にみられるような社交的な状況、などによってもたらされる恐怖、不安、状況の回避。
G. その障害は、以下に列挙するような、(おなじく恐怖、不安、状況の回避などの症状を認める)他の精神疾患の症状としては、うまく説明できない。例えば、広場恐怖症にみられるようなパニック様症状や無能力的な状態、強迫症にみられるような強迫観念に関係する対象や状況、心的外傷後ストレス障害にみられるような外傷的な出来事を想起させる物、分離不安症にみられるような家や愛着のある人物からの分離、社交不安症にみられるような社交的な状況、などによってもたらされる恐怖、不安、状況の回避。
(令和3年1月 平野好幸訳)
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2021年1月 平野好幸訳


 限局性恐怖症は恐怖刺激に基づいて次の5つに分類される。
 限局性恐怖症は恐怖刺激に基づいて次の5つに分類される。