「電気けいれん療法」の版間の差分

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==mECTの実際==
==mECTの実際==
===適応の判断===
===適応の判断===
 ここでは当院で行われているECTの実際について述べる。当院のうつストレスケア病棟には、センター病院としての役割もあり、他院にて抗うつ薬を何剤か試されて十分な改善を示さなかった治療抵抗性うつ病患者が多く入院してくる。当院ではアルゴリズムを用いてうつ病の治療を行っている。まず「見かけ上の」治療抵抗性を否定するために、診断(双極性障害など)や治療(内服は出来ていたかなど)の見直しを行う。異なる種類の抗うつ薬2剤以上、十分量十分期間使用しても寛解に至らない「本当の」治療抵抗性うつ病と診断された場合は、Lithiumや甲状腺ホルモンなどの増強療法の使用を検討する。次に、非定型抗精神病薬や、ドーパミンアゴニスト、気分安定薬(carbamazepineやvalproate)などの使用を検討する。認知行動療法は必要に応じて併用する。以上で寛解に至らない場合、ECTの適応の有無を検討する(表1の二次的使用の場合)26)。但し、緊張病状態など表1の一次的使用に当てはまる状態の場合は積極的にECTの適応を考慮してい。これらの判断は精神科医師2名により行うが、相対的禁忌の疾患(表2)を合併している場合は麻酔科医へECTの適応についてコンサルトしている。
 ここではNCNPで行われているECTの実際について述べる。うつ・ストレスケア病棟はセンター病院としての役割もあり、他院にて抗うつ薬を何剤か試されて十分な改善を示さなかった治療抵抗性うつ病患者が多く入院してくる。当院ではアルゴリズムを用いてうつ病の治療を行っている。まず「見かけ上の」治療抵抗性を否定するために、診断(双極性障害など)や治療(内服は出来ていたかなど)の見直しを行う。異なる種類の抗うつ薬2剤以上を十分量、十分期間使用しても寛解に至らない「本当の」治療抵抗性うつ病と診断された場合は、lithiumや非定型抗精神病薬、甲状腺ホルモンなどの増強療法の使用を検討する。次に、ドーパミンアゴニストや気分安定薬(carbamazepineやvalproate)などの使用を検討する。個別・集団の認知行動療法や運動療法、認知トレーニングなどを必要に応じて行っている。以上で寛解に至らない場合、ECTの適応を検討する(表1の二次的使用の場合)26)。ただし、緊張病状態など表1の一次的使用に当てはまる状態の場合は積極的にECTの適応を考慮して良い。最終的な判断はECT適応検討委員会で行う(別項目参照)が、相対的禁忌の疾患(表2)を合併している場合は麻酔科医や専門医へECTの適応についてコンサルトしている。


===mECTの方法===
===mECTの方法===
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