「電気けいれん療法」の版間の差分

編集の要約なし
編集の要約なし
編集の要約なし
163行目: 163行目:
65)Zhu B-L, Ishida K, Oritani S et al.: Sudden death following psychiatric electroconvulsive therapy ; a case report. Jpn J Legal Med, 52 : 149-152, 1998
65)Zhu B-L, Ishida K, Oritani S et al.: Sudden death following psychiatric electroconvulsive therapy ; a case report. Jpn J Legal Med, 52 : 149-152, 1998
<br>
<br>
===心血管性合併症===
===心血管系合併症===
 ECTは標準的の施行方法では約8秒間の通電を行うが、通電により迷走神経を直接刺激して副交感神経優位となり、発作中は交感神経が、発作終了後には再び副交感神経が優位となる。通電直後の副交感神経優位状態では徐脈、洞停止、血圧低下などが一過性に起こることがあり、発作中の交感神経優位状態では、頻脈・高血圧が起こることがあり間代期が終了するまで持続する(9)。このような短時間の内に急激に生じる生理学的変化に対して、ECT中は麻酔科医によるバイタルモニターと全身管理が必要になる。副交感神経反応抑制には硫酸アトロピン等の抗コリン薬の術前投与が有効である。高血圧に対しては高血圧症を合併症に持つ場合は朝の降圧剤を服用し、必要に応じてジルチアゼム・ニカルジピン等のカルシウム拮抗薬をECT直前か直後に静注する。特に従来からの心血管系合併症を持つ患者では十分な注意が必要である。<br>
 ECTは標準的の施行方法では約8秒間の通電を行うが、通電により迷走神経を直接刺激して副交感神経優位となり、発作中は交感神経が、発作終了後には再び副交感神経が優位となる。通電直後の副交感神経優位状態では徐脈、洞停止、血圧低下などが一過性に起こることがあり、発作中の交感神経優位状態では、頻脈・高血圧が起こることがあり間代期が終了するまで持続する(9)。このような短時間の内に急激に生じる生理学的変化に対して、ECT中は麻酔科医によるバイタルモニターと全身管理が必要になる。副交感神経反応抑制には硫酸アトロピン等の抗コリン薬の術前投与が有効である。高血圧に対しては高血圧症を合併症に持つ場合は朝の降圧剤を服用し、必要に応じてジルチアゼム・ニカルジピン等のカルシウム拮抗薬をECT直前か直後に静注する。特に従来からの心血管系合併症を持つ患者では十分な注意が必要である。<br>


45

回編集