「電気魚」の版間の差分

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== 電気魚とは  ==
== 電気魚とは  ==
電気を発生するための電気器官を持つ魚。ほとんどの電気魚が電気を受容するための電気受容器を併せ持つ。放電電圧数ボルト以下の弱電気魚と数十〜数百ボルトの強電気魚がいる。弱電気魚は、放電により体の周りに設定される電場を用いて環境の様子を知る電気定位行動や、放電を同種あるいは異種間でのコミュニケーションに利用する電気コミュニケーションなどを行う。これらの行動を司る中枢神経機構はよく理解されている。強電気魚は、強力な放電で被捕食魚を麻痺させたり捕食者を威嚇したりする。強電気魚は弱電気魚を元に進化したもので、弱電気魚と同じ電気的行動をする能力も併せ持つ。


電気を発生するための電気器官を持つ魚。ほとんどの電気魚が電気を受容するための電気受容器を併せ持つ。放電電圧数ボルト以下の弱電気魚と数十〜数百ボルトの強電気魚がいる。弱電気魚は、放電により体の周りに設定される電場を用い環境の様子を知る電気定位行動や、放電を同種あるいは異種間でのコミュニケーションに利用する電気コミュニケーションなどを行う。これらの行動の神経機構は、行動の神経機構を生態的機能や系統進化と関連させて研究する神経行動学 (neuroethology) の分野で
==電気器官==
 
発電器官という。図1に主な電気魚の電気器官を示す。電気器官は発電細胞 (electrocyte) で満たされている。発電細胞は筋繊維に由来するが収縮機構を失っている





2012年6月22日 (金) 07:29時点における版

英: electric fish

電気魚とは

電気を発生するための電気器官を持つ魚。ほとんどの電気魚が電気を受容するための電気受容器を併せ持つ。放電電圧数ボルト以下の弱電気魚と数十〜数百ボルトの強電気魚がいる。弱電気魚は、放電により体の周りに設定される電場を用いて環境の様子を知る電気定位行動や、放電を同種あるいは異種間でのコミュニケーションに利用する電気コミュニケーションなどを行う。これらの行動を司る中枢神経機構はよく理解されている。強電気魚は、強力な放電で被捕食魚を麻痺させたり捕食者を威嚇したりする。強電気魚は弱電気魚を元に進化したもので、弱電気魚と同じ電気的行動をする能力も併せ持つ。

電気器官

発電器官という。図1に主な電気魚の電気器官を示す。電気器官は発電細胞 (electrocyte) で満たされている。発電細胞は筋繊維に由来するが収縮機構を失っている






(執筆者:川崎 雅司、担当編集委員:)