「電気魚」の版間の差分

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====混信回避行動(ウエーヴ種)の神経機構====  
====混信回避行動(ウエーヴ種)の神経機構====  
(1)の過程は振幅型と位相型の電気受容器、(2) は発火頻度が振幅によって変わる興奮型と抑制型の中枢ニューロン, (3)は感覚信号1周期でインパルスを一つ発火する中枢のフェーズロックニューロンによってコードされる<ref><pubmed>9030634</pubmed></ref>。(4) の過程は (3) のニューロン間の活動電位の発生時間差(青色線)に感受性のある符合一致検出回路が実行する<ref><pubmed>8613805</pubmed></ref>。(5)の過程は (2) と (4) を実行するニューロンの出力を入力とするニューロンが、上図のリサージュグラフの回転方向を読み出すことにより実行される<ref><pubmed>17005607</pubmed></ref><ref><pubmed>9736677</pubmed></ref><ref><pubmed>15048683</pubmed></ref>。これら神経計算の最終結果はペースメーカー前核のニューロンによりペースメーカーへ伝達され、相手の周波数によって自己の発電周波数を上下させる混信回避行動が起こる。<ref><pubmed>3397919</pubmed></ref>。延髄の電気感覚側線葉と中脳の半円堤に分布するこれらの神経回路は (6)に対応するものを除いて神経生理学的解剖学的によく理解されている<ref name='neralnets' />。系統的に遠い電気魚 ''Eigenmannia ''と''Gymnarchus ''は、混信回避行動を独立に進化させたにも関わらず、そのアルゴリズムと神経回路には強い類似性がある<ref>19799509<pubmed></pubmed></ref><ref><pubmed>22606250</pubmed></ref>。
(1)の過程は振幅型と位相型の電気受容器、(2) は発火頻度が振幅によって変わる興奮型と抑制型の中枢ニューロン, (3)は感覚信号1周期でインパルスを一つ発火する中枢のフェーズロックニューロンによってコードされる<ref><pubmed>9030634</pubmed></ref>。(4) の過程は (3) のニューロン間の活動電位の発生時間差(青色線)に感受性のある符合一致検出回路が実行する<ref><pubmed>8613805</pubmed></ref>。(5)の過程は (2) と (4) を実行するニューロンの出力を入力とするニューロンが、上図のリサージュグラフの回転方向を読み出すことにより実行される<ref><pubmed>17005607</pubmed></ref><ref><pubmed>9736677</pubmed></ref><ref><pubmed>15048683</pubmed></ref>。これら神経計算の最終結果はペースメーカー前核のニューロンによりペースメーカーへ伝達され、相手の周波数によって自己の発電周波数を上下させる混信回避行動が起こる。<ref><pubmed>3397919</pubmed></ref>。延髄の電気感覚側線葉と中脳の半円堤に分布するこれらの神経回路は (6)に対応するものを除いて神経生理学的解剖学的によく理解されている<ref name='neuralnets' />。系統的に遠い電気魚 ''Eigenmannia ''と''Gymnarchus ''は、混信回避行動を独立に進化させたにも関わらず、そのアルゴリズムと神経回路には強い類似性がある<ref>19799509<pubmed></pubmed></ref><ref><pubmed>22606250</pubmed></ref>。


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