「頭痛」の版間の差分

16 バイト追加 、 2015年9月24日 (木)
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*一次性頭痛は、頭痛の原因となる他の患がなく、頭痛そのものが障害となっている神経疾患である。 片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経自律神経性頭痛(群発頭痛)が代表的である。
*一次性頭痛は、頭痛の原因となる他の患がなく、頭痛そのものが障害となっている神経疾患である。 片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経自律神経性頭痛(群発頭痛)が代表的である。
*二次性頭痛とは、頭蓋内や頭部、顔面、全身の疾患の症状として頭痛が出現するものである。二次性頭痛には、頭蓋内疾患、脳血管障害など多くの原因が挙げられる。国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)では、第二部、5章以降に掲載されている(表1)。
*二次性頭痛とは、頭蓋内や頭部、顔面、全身の疾患の症状として頭痛が出現するものである。二次性頭痛には、頭蓋内疾患、脳血管障害など多くの原因が挙げられる。国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)では、第二部、5章以降に掲載されている(表1)。
 
==一次性頭痛==
==一次性頭痛==
 
===片頭痛(偏頭痛)===
===片頭痛(偏頭痛)=== 
migraine
migraine


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===片頭痛の有病率===
===片頭痛の有病率===
 片頭痛の有病率は北米では一般人口の13%(男性6%、女性18%)、欧州15%(男性7%、女性18%)などの報告がある7)。わが国のSakai&Igarashiの調査8)では、片頭痛全体で8.4%、MO 5.8%(男2.1%、女9.3%)、 MA 2.6%(男1.4%、女3.6%)であった。Takeshimaらの大山町研究9)では MO 5.2%(男1.9%、女8.1%)、 MA 0.9%(男0.4%、女1.06%)であった。片頭痛は男性より女性に多く、30歳代、40歳代にピークがある。
 片頭痛の有病率は北米では一般人口の13%(男性6%、女性18%)、欧州15%(男性7%、女性18%)などの報告がある7)。わが国のSakai&Igarashiの調査8)では、片頭痛全体で8.4%、MO 5.8%(男2.1%、女9.3%)、MA 2.6%(男1.4%、女3.6%)であった。Takeshimaらの大山町研究9)では MO 5.2%(男1.9%、女8.1%)、MA 0.9%(男0.4%、女1.06%)であった。片頭痛は男性より女性に多く、30歳代、40歳代にピークがある。


===片頭痛の診断===
===片頭痛の診断===
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===片頭痛の病因と病態仮説===
===片頭痛の病因と病態仮説===
*歴史的には、血管説、神経説、[[セロトニン]]学説、血小板説などが提唱されてきた。 近年の神経科学的知見から、片頭痛の疼痛は、[[脳硬膜]]の三叉神経血管系の神経原性炎症とその後惹起される神経感作が主たる病態と理解されている(三叉神経血管説10))。神経原性炎症にはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が重要な関与をしている。この他、発痛物質サブスタンスP、セロトニン、ヒスタミンなども神経原性炎症の進展に関与すると考えられている。
*歴史的には、血管説、神経説、[[セロトニン]]学説、血小板説などが提唱されてきた。近年の神経科学的知見から、片頭痛の疼痛は、[[脳硬膜]]の三叉神経血管系の神経原性炎症とその後惹起される神経感作が主たる病態と理解されている(三叉神経血管説10))。神経原性炎症にはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が重要な関与をしている。この他、発痛物質サブスタンスP、セロトニン、ヒスタミンなども神経原性炎症の進展に関与すると考えられている。
*前兆のある片頭痛でみられる、閃輝暗点は、大脳皮質後頭葉視覚野で、発生する皮質拡延性抑制がその本態であると考えられている11, 12)。
*前兆のある片頭痛でみられる、閃輝暗点は、大脳皮質後頭葉視覚野で、発生する皮質拡延性抑制がその本態であると考えられている11, 12)。
*神経原性炎症と皮質拡延性抑制のより上流の病態として、[[視床下部]]や脳幹の異常を片頭痛発生器(generator)として想定する仮設も提唱されている。
*神経原性炎症と皮質拡延性抑制のより上流の病態として、[[視床下部]]や脳幹の異常を片頭痛発生器(generator)として想定する仮設も提唱されている。
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==その他の頭痛性疾患==
==その他の頭痛性疾患==
 第14章には14.1 「分類不能の頭痛」、14.2「詳細不明の頭痛」が掲載されている。ICHD-3βの頭痛分類のいずれにも該当しないものは「分類不能の頭痛」として記載しておき、将来の知見の集積をまつように設計されている。 頭痛の存在は確実であるが、正確な頭痛の分類に必要な情報が不足している場合には「詳細不明の頭痛」としてコード化しておく。
 第14章には14.1 「分類不能の頭痛」、14.2「詳細不明の頭痛」が掲載されている。ICHD-3βの頭痛分類のいずれにも該当しないものは「分類不能の頭痛」として記載しておき、将来の知見の集積をまつように設計されている。 頭痛の存在は確実であるが、正確な頭痛の分類に必要な情報が不足している場合には「詳細不明の頭痛」としてコード化しておく。
==参考文献==
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