「骨形成因子」の版間の差分

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<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0191450 若松 義雄]</font><br>
''東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野''<br>
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年5月11日 原稿完成日:2012年7月5日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子](東北大学 大学院医学系研究科 附属創生応用医学研究センター 脳神経科学コアセンター 発生発達神経科学分野)<br>
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| Symbol = BMP
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同義語:骨形成タンパク質
同義語:骨形成タンパク質


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 もともと、骨組織や[[軟骨]]の[[細胞分化|分化]]を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体2量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性/機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。
 もともと、骨組織や[[軟骨]]の[[細胞分化|分化]]を誘導、促進する分子として同定された一群のタンパク質である。[[TGF-β]]スーパーファミリーに属しており、I型、II型の受容体2量体に結合し、[[転写因子]][[SMAD]]の[[リン酸化]]を経て核内にシグナル伝達される。[[wikipedia:ja:両生類|両生類]]等を用いた実験から、[[wikipedia:ja:胚|胚]]の[[wikipedia:ja:背腹軸|背腹軸]]の決定に関与していることが示され、その後も発生期の組織や器官の誘導、パターン形成、[[細胞死]]の誘導、[[細胞分化]]の制御など、発生過程の様々な場面で重要な役割をしていることが明らかとなっている。とりわけ神経系の発生過程においては、[[神経管]]や[[大脳]]の背側領域のパターン形成や、特定のニューロンの個性決定、[[神経幹細胞]]の維持、[[神経筋接合部|神経ー筋接合]]の形成などに関わる。また、BMPシグナルのこれらの活性/機能に異常が生じたことによる神経系の疾患への関与が示唆されている。
}}


==骨形成因子とは==
==骨形成因子とは==