「高速液体クロマトグラフィー」の版間の差分

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 現在UHPLCは、ペプチドマッピング、メタボローム、アミノ酸分析そして医薬品の分析など様々な分野で活用されているが、カラムの種類はHPLCに比べ、まだ少ない状況である。今後、カラムの種類が豊富になることによりUHPLCの需要が高まることが期待される。
 現在UHPLCは、ペプチドマッピング、メタボローム、アミノ酸分析そして医薬品の分析など様々な分野で活用されているが、カラムの種類はHPLCに比べ、まだ少ない状況である。今後、カラムの種類が豊富になることによりUHPLCの需要が高まることが期待される。
===LC-MS (Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)===
===LC-MS (Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)===
 [[wikipedia:jp:%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3|Fenn]]らによって質量分析のイオン化法である[[wikipedia:jp:%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%8C%96%E6%B3%95|エレクトロスプレーイオン化]](ESI)法が開発されてから、HPLCの検出器として質量分析計が多様の物質測定に利用できるようになった。このシステムでは、極微量の試料を高感度に検出することが可能であり、同時に多くの物質の分子量・構造情報を得ることができるため、特に[[wikipedia:jp:%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%A7%A3%E6%9E%90|プロテオミクス]]の分野で急速に発展した。しかし、[[質量分析計]]を用いた物質の検出は、測定対象がイオン化することが前提であり、試料の調製やHPLC移動相の選択などに制約がある。そこで、他のHPLC検出器で得られた分析条件を用いることが難しく、新たな基礎検討を必要とすることが多い。その中、近年では内径0.075ID &taimes; 0.1 mm のカラムを用い、50~500 nL/min 程度の低流速で送液を行うナノフローHPLCを用いることで、ペプチドやタンパク質消化物においてはamol レベルの検出が可能となっている。脳科学の分野でも、このLC-MSを用いたプロテオーム解析が盛んに行われている。
 [[wikipedia:jp:%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3|Fenn]]らによって質量分析のイオン化法である[[wikipedia:jp:%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E5%8C%96%E6%B3%95|エレクトロスプレーイオン化]](ESI)法が開発されてから、HPLCの検出器として質量分析計が多様の物質測定に利用できるようになった。このシステムでは、極微量の試料を高感度に検出することが可能であり、同時に多くの物質の分子量・構造情報を得ることができるため、特に[[wikipedia:jp:%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%A7%A3%E6%9E%90|プロテオミクス]]の分野で急速に発展した。しかし、[[質量分析計]]を用いた物質の検出は、測定対象がイオン化することが前提であり、試料の調製やHPLC移動相の選択などに制約がある。そこで、他のHPLC検出器で得られた分析条件を用いることが難しく、新たな基礎検討を必要とすることが多い。その中、近年では内径0.075ID × 0.1 mm のカラムを用い、50~500 nL/min 程度の低流速で送液を行うナノフローHPLCを用いることで、ペプチドやタンパク質消化物においてはamol レベルの検出が可能となっている。脳科学の分野でも、このLC-MSを用いたプロテオーム解析が盛んに行われている。


 本稿で紹介したHPLC検出はごく一部であるが、HPLC分析を行うにあたり、測定対象の物性を理解した上で、それに応じた分析条件、検出器を用いることが重要である。
 本稿で紹介したHPLC検出はごく一部であるが、HPLC分析を行うにあたり、測定対象の物性を理解した上で、それに応じた分析条件、検出器を用いることが重要である。
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