「Caenorhabditis elegans」の版間の差分

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 全ての神経細胞についての形態、位置、接続関係、細胞系譜などの情報はデータベースに整理されており、インターネットを通して自由に参照することができる。
 全ての神経細胞についての形態、位置、接続関係、細胞系譜などの情報はデータベースに整理されており、インターネットを通して自由に参照することができる。


 頭部に神経細胞が密集している部位があり、リング状に神経繊維が束になった[[ナーブリング]]と呼ばれる構造を持つ。ゲノム情報から[[電位依存性ナトリウムチャネル]]を持たないことが示唆されており、[[wj:マウス|マウス]]などの神経細胞と違い、多くの神経細胞では[[スパイク]]様に数ms単位で変化する活動電位は観察されない(ただしこれについては議論がある<ref name=ref3><pubmed>19322241</pubmed></ref>。また嗅覚神経細胞であるAWAでは活動電位が報告されている<ref name=ref4><b>Qiang Liu, Philip B. Kidd, May Dobosiewicz, Cornelia I. Bargmann</b> C. elegans AWA Olfactory Neurons Fire Calcium-Mediated All-or-None Action Potentials. Cell DOI:https://doi.org/10.1016/j.cell.2018.08.018 2018</ref>)。細胞の大きさが小さく(〜10μm程度)、体表面を覆っている[[wj:キューティクル|キューティクル]]が比較的硬いため、電気生理学的手法はマウスなどと比べると技術的に難しいが、それでもいくつかの研究室で神経細胞に対する電気生理的手法が確立されている。
 頭部に神経細胞が密集している部位があり、リング状に神経繊維が束になった神経環([[ナーブリング]])と呼ばれる構造を持つ。ゲノム情報から[[電位依存性ナトリウムチャネル]]を持たないことが示唆されており、[[wj:マウス|マウス]]などの神経細胞と違い、多くの神経細胞では[[スパイク]]様に数ms単位で変化する活動電位は観察されない(ただしこれについては議論がある<ref name=ref3><pubmed>19322241</pubmed></ref>。また嗅覚神経細胞であるAWAでは活動電位が報告されている<ref name=ref4><b>Qiang Liu, Philip B. Kidd, May Dobosiewicz, Cornelia I. Bargmann</b> C. elegans AWA Olfactory Neurons Fire Calcium-Mediated All-or-None Action Potentials. Cell DOI:https://doi.org/10.1016/j.cell.2018.08.018 2018</ref>)。細胞の大きさが小さく(〜10μm程度)、体表面を覆っている[[wj:キューティクル|キューティクル]]が比較的硬いため、電気生理学的手法はマウスなどと比べると技術的に難しいが、それでもいくつかの研究室で神経細胞に対する電気生理的手法が確立されている。


 神経活動の測定においては、透明な体を活かして、蛍光プローブを用いた[[カルシウムイメージング]]などの測定方法が広く利用されている。特定の細胞に選択的に遺伝子発現する[[プロモーター]]を利用することで非侵襲に特定の細胞の活動を計測することができる。他生物では一般的に抑制性を示す[[GABA]]依存性神経細胞で、興奮性を示すものが知られている。
 神経活動の測定においては、透明な体を活かして、蛍光プローブを用いた[[カルシウムイメージング]]などの測定方法が広く利用されている。特定の細胞に選択的に遺伝子発現する[[プロモーター]]を利用することで非侵襲に特定の細胞の活動を計測することができる。他生物では一般的に抑制性を示す[[GABA]]依存性神経細胞で、興奮性を示すものが知られている。
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