「Rhoファミリー低分子量Gタンパク質」の版間の差分

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== ファミリー  ==
== ファミリー  ==


 低分子量Gタンパク質の中で最初に発見されたのはRasであることから、低分子量Gタンパク質をRas類似タンパク質と総称することがある。現在では、哺乳類において低分子量Gタンパク質は約150種類からなり、構造の類似性と主たる機能から、細胞増殖を制御するRas family、細胞骨格を制御するRho family、小胞輸送を制御するRab familyとArf family、核内輸送を制御するRan familyに分類される<ref name="ref2"><pubmed> 17035353 </pubmed></ref>。これらを包括してRas superfamilyと称する。
 低分子量Gタンパク質の中で最初に発見されたのはRasであることから、低分子量Gタンパク質をRas類似タンパク質と総称することがある。現在では、哺乳類において低分子量Gタンパク質は約150種類からなり、構造の類似性と主たる機能から、[[細胞増殖]]を制御するRas family、細胞骨格を制御するRho family、小胞輸送を制御するRab familyとArf family、核内輸送を制御するRan familyに分類される<ref name="ref2"><pubmed> 17035353 </pubmed></ref>。これらを包括してRas superfamilyと称する。


 哺乳類のRho familyはおよそ20種類のメンバーからなり、RhoA、RhoB、RhoC、RhoD、RhoF/Rif、Rnd1、Rnd2、Rnd3/RhoE、Rac1、Rac2、Rac3、RhoG、Cdc42、RhoQ/TC10、RhoJ/TCL、RhoU/Wrch、RhoV/Chp、RhoH/TTF、RhoBTB1、RhoBTB2/DBC-2が含まれる<ref name="ref2" />。これらのほとんどが、不活性型のGDP結合型と活性型のGTP結合型の二つの状態を取り、GDP-GTP交換反応と内在性のGTPase活性に依存したGTP水解反応により両者の間を往復してスイッチ機能を果たす<ref name="ref1" />。しかし、Rnd1、Rnd2、Rnd3は内在性のGTPase活性に乏しく、恒常的にGTP結合型となる<ref name="ref13"><pubmed>16493413</pubmed></ref>。Rndの機能は局在や発現、リン酸化などにより制御される。  
 哺乳類のRho familyはおよそ20種類のメンバーからなり、RhoA、RhoB、RhoC、RhoD、RhoF/Rif、Rnd1、Rnd2、Rnd3/RhoE、Rac1、Rac2、Rac3、RhoG、Cdc42、RhoQ/TC10、RhoJ/TCL、RhoU/Wrch、RhoV/Chp、RhoH/TTF、RhoBTB1、RhoBTB2/DBC-2が含まれる<ref name="ref2" />。これらのほとんどが、不活性型のGDP結合型と活性型のGTP結合型の二つの状態を取り、GDP-GTP交換反応と内在性のGTPase活性に依存したGTP水解反応により両者の間を往復してスイッチ機能を果たす<ref name="ref1" />。しかし、Rnd1、Rnd2、Rnd3は内在性のGTPase活性に乏しく、恒常的にGTP結合型となる<ref name="ref13"><pubmed>16493413</pubmed></ref>。Rndの機能は局在や発現、リン酸化などにより制御される。


== 活性化・不活性化の制御  ==
== 活性化・不活性化の制御  ==