「SNAP-25」の版間の差分

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 SNAP-25はt-SNAREタンパク質として開口放出による[[神経伝達物質]]放出や水溶性[[ホルモン]]の分泌に不可欠な役割を果たしている<ref name=ref4 /> <ref name=ref15 /> <ref name=ref16 />。
 SNAP-25はt-SNAREタンパク質として開口放出による[[神経伝達物質]]放出や水溶性[[ホルモン]]の分泌に不可欠な役割を果たしている<ref name=ref4 /> <ref name=ref15 /> <ref name=ref16 />。


 SNAREタンパク質による神経伝達物質放出はCa<sup>2+</sup>[[イオン]]によって誘発され、その場合のCa<sup>2+</sup>センサーとしてはシナプトタグミンが同定されている<ref name=ref28><pubmed>24183019</pubmed></ref>。シナプトタグミン1との結合部位としてAsp51, Glu52, Glu55<ref name=ref29><pubmed>16267273</pubmed></ref>およびAsp172, Asp179, Asp186, Asp193<ref name=ref30><pubmed>12062043</pubmed></ref>が同定されている。いずれも変異を加えると[[PC12細胞]]からの放出が抑制される。[[膜容量測定法|膜容量測定]]による時間分解能の良いアッセイではAsp51, Glu52, Glu55がCa<sup>2+</sup>依存性放出に必須でAsp172, Asp179, Asp186, Asp193はフュージョン誘発にあまり影響しないが、[[放出可能プール]](readily releasable pool)を少し減少させる ことが示されている<ref name=ref31><pubmed>24005294</pubmed></ref>。<u>編集部コメント:この段落は構造のところから移しました。</u>
 SNAREタンパク質による神経伝達物質放出はCa<sup>2+</sup>[[イオン]]によって誘発され、その場合のCa<sup>2+</sup>センサーとしてはシナプトタグミンが同定されている<ref name=ref28><pubmed>24183019</pubmed></ref>。シナプトタグミン1との結合部位としてAsp51, Glu52, Glu55<ref name=ref29><pubmed>16267273</pubmed></ref>およびAsp172, Asp179, Asp186, Asp193<ref name=ref30><pubmed>12062043</pubmed></ref>が同定されている。いずれも変異を加えると[[PC12細胞]]からの放出が抑制される。[[膜容量測定法|膜容量測定]]による時間分解能の良いアッセイではAsp51, Glu52, Glu55がCa<sup>2+</sup>依存性放出に必須でAsp172, Asp179, Asp186, Asp193はフュージョン誘発にあまり影響しないが、[[放出可能プール]](readily releasable pool)を少し減少させる ことが示されている<ref name=ref31><pubmed>24005294</pubmed></ref>。


 SNARE複合体形成に際しては、構成する4本のへリックスの中でQcおよびQbの2本のへリックスを供出する。SNAP-25がBoNT/Eで切断を受けると神経伝達物質放出が見られなくなることや<ref name=ref5 />、SNAP-25の[[KOマウス]]ではCa<sup>2+</sup>誘発性の神経伝達物質放出が見られないこと<ref name=ref6 />、SNAP-25とsyntaxinを組み込んだリポゾームをVAMP-2を組み込んだ[[リポゾーム]]を混ぜるとリポゾーム同士の[[膜融合]]が起こることなどから<ref name=ref33><pubmed>25997356</pubmed></ref>、SNAP-25は開口放出による神経伝達物質放出に必須なタンパク質であると結論されている。SNAP-25は内分泌細胞にも発現し、水溶性ホルモン分泌に不可欠な役割を果たしている。
 SNARE複合体形成に際しては、構成する4本のへリックスの中でQcおよびQbの2本のへリックスを供出する。SNAP-25がBoNT/Eで切断を受けると神経伝達物質放出が見られなくなることや<ref name=ref5 />、SNAP-25の[[KOマウス]]ではCa<sup>2+</sup>誘発性の神経伝達物質放出が見られないこと<ref name=ref6 />、SNAP-25とsyntaxinを組み込んだリポゾームをVAMP-2を組み込んだ[[リポゾーム]]を混ぜるとリポゾーム同士の[[膜融合]]が起こることなどから<ref name=ref33><pubmed>25997356</pubmed></ref>、SNAP-25は開口放出による神経伝達物質放出に必須なタンパク質であると結論されている。SNAP-25は内分泌細胞にも発現し、水溶性ホルモン分泌に不可欠な役割を果たしている。