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 シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている<ref><pubmed> 8608586 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9418183 </pubmed></ref>。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase(JAK)によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている<ref><pubmed> 15225360 </pubmed></ref>。
 シグナル伝達と転写活性化を行うことで、分化や生存、増殖などを調節するタンパク質の一群、Signal Transducers and Activator of Transcription (STAT) ファミリー分子の一つ。これまでSTATファミリー分子としては、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6の7種類が報告されている<ref><pubmed> 8608586 </pubmed></ref><ref><pubmed> 9418183 </pubmed></ref>。STAT3は非活性化状態時では細胞質に局在するが、活性化したJanus kinase(JAK)によってチロシンリン酸化を受け、核内移行し目的遺伝子を活性化する転写因子となる。この活性化経路はJAK/STAT経路と呼ばれている<ref><pubmed> 15225360 </pubmed></ref>。
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|'''図1.STAT3の構造'''<br>代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]]  
[[Image:STAT3kouzou.jpg|thumb|350px|'''図1.STAT3の構造'''<br>SH2ドメインは信号伝達鎖内のリン酸化チロシン残基を認識、結合する機能を持つ。その後、705番チロシンがリン酸化されることで活性化し、信号伝達鎖と乖離する。]]  
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|'''図2.IL-6ファミリーサイトカイン受容体群'''<br>代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]]  
[[Image:Saitokain.jpg|thumb|350px|'''図2.IL-6ファミリーサイトカイン受容体群'''<br>IL-6ファミリーサイトカインはそれぞれに特異的結合的結合鎖に結合し、信号伝達鎖を含んだ複合受容体の形成する。特異的結合鎖の中において、IL-6受容体(IL-6R)、IL-11R、CNTFRは可溶性の形態(sIL-6R、sIL-11R、sCNTFR)でも複合受容体形成を可能とする。IL-6、IL-11はgp130同士のホモ二量体化を、LIF、CNTF、CT-1はgp130/LIFRとのヘテロ二量体を誘導する。CT-1Rの存在は示唆されているものの、いまだ同定されていない。OSMはOSMRまたはLIFRとgp130とのヘテロ二量体化を誘導する。CT-1R]]  
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|'''図3.IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現'''<br>代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]]  
[[Image:GFAP expression.jpg|thumb|350px|'''図3.IL-6ファミリーサイトカインシグナルによるGFAPの発現'''<br>IL-6ファミリーに属するほぼすべてのサイトカインでGFAPの転写が誘導されることが明らかになっている。]]  
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|'''図4.SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック'''<br>代表的なアセチル化反応であるアスピリンの合成反応を示した。円で囲われたサリチル酸の水酸基が無水酢酸との反応によりアセチル基に置換され、アスピリンが合成される。]]  
[[Image:SOCS.jpg|thumb|350px|'''図4.SOCS3によるJAK/STAT3経路のフィードバック'''<br>発現したSOCS3は信号伝達鎖のチロシン残基を脱リン酸化することで、STAT3のSH2ドメインがチロシン残基に結合するのを阻害し、STAT3のリン酸化を防ぐ。STAT3は活性化し二量体化することができず、TNF-αのシグナルは抑制される。]]  


== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==
== STAT3の構造と活性化のメカニズム ==
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