30
回編集
細編集の要約なし |
Yasunorimori (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
||
37行目: | 37行目: | ||
神経細胞における極性輸送の分子機構に関する詳細は未解明の部分も多いが、近年その一端が解明されつつある。一例を挙げると、輸送小胞の[[微小管]]上の移動を司る[[モータータンパク質]]・[[キネシン]]ファミリー分子のうち、軸索特異的な輸送に関与する[[KIF1A]]は[[シナプトタグミン]]1、[[Rab|Rab3]]、[[シナプトフィジン]]といったシナプス小胞の構成因子を輸送する<ref><pubmed>7539720 </pubmed></ref>。一方、[[KIF17]]はNMDA型グルタミン酸受容体のサブユニットである[[NR2B]]を樹状突起へと輸送する<ref><pubmed>10846156</pubmed></ref>。 | 神経細胞における極性輸送の分子機構に関する詳細は未解明の部分も多いが、近年その一端が解明されつつある。一例を挙げると、輸送小胞の[[微小管]]上の移動を司る[[モータータンパク質]]・[[キネシン]]ファミリー分子のうち、軸索特異的な輸送に関与する[[KIF1A]]は[[シナプトタグミン]]1、[[Rab|Rab3]]、[[シナプトフィジン]]といったシナプス小胞の構成因子を輸送する<ref><pubmed>7539720 </pubmed></ref>。一方、[[KIF17]]はNMDA型グルタミン酸受容体のサブユニットである[[NR2B]]を樹状突起へと輸送する<ref><pubmed>10846156</pubmed></ref>。 | ||
細胞体との境界に位置する軸索の根元には[[アクチン]]線維が高密度に存在している[[ | 細胞体との境界に位置する軸索の根元には[[アクチン]]線維が高密度に存在している[[初節]](axon initial segment, AIS)と呼ばれる領域があり、ここでキネシン分子依存的に軸索に輸送される分子と樹状突起へ輸送される分子の選択が行われるという説が提唱されている<ref><pubmed>19268344 </pubmed></ref>。また、[[クラスリン]]被覆小胞形成の[[アダプタータンパク質]]であるAP複合体ファミリーの1つ[[AP-4]]が、AMPA型グルタミン酸受容体のサブユニットであるGluA1(GluR1)およびGluA2(GluR2)の樹状突起への選択的輸送に関与することが明らかになっている<ref><pubmed>18341993 </pubmed></ref>。さらに、小胞輸送の普遍的制御因子である[[低分子量Gタンパク質]][[Rab]]ファミリーの幾つかが、軸索あるいは樹状突起特異的に局在することが最近報告され、これらの分子の極性輸送への関与が示唆されている<ref><pubmed>22291024 </pubmed></ref>。 | ||
==関連項目== | ==関連項目== |
回編集