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遅延型瞬目反射の条件付けに小脳を含む神経回路が重要な役割を演じていることが、破壊実験や薬物を用いた不活化の実験、神経活動の記録実験の結果により示唆されている。条件付けを行なう前に小脳皮質を破壊すると、いくらトレーニングを行なってもCSに同期した正確なCRが生じない。また条件付けが生じた後に小脳皮質を破壊すると、CSのタイミングに同期したCRが消失する。このことは小脳皮質がCSの時間情報を正確に反映する条件付けに必要であり、CSとCRの連合には主に小脳核が関与していることを示唆する。 | 遅延型瞬目反射の条件付けに小脳を含む神経回路が重要な役割を演じていることが、破壊実験や薬物を用いた不活化の実験、神経活動の記録実験の結果により示唆されている。条件付けを行なう前に小脳皮質を破壊すると、いくらトレーニングを行なってもCSに同期した正確なCRが生じない。また条件付けが生じた後に小脳皮質を破壊すると、CSのタイミングに同期したCRが消失する。このことは小脳皮質がCSの時間情報を正確に反映する条件付けに必要であり、CSとCRの連合には主に小脳核が関与していることを示唆する。 | ||
小脳皮質の[[平行線維]]―プルキンエ細胞間[[シナプス]]には、登上線維入力によって[[長期抑圧]](long-term depression, LTD)と呼ばれる可塑性が生じる<ref name="ref3"><pubmed>7097592</pubmed></ref> | 小脳皮質の[[平行線維]]―プルキンエ細胞間[[シナプス]]には、登上線維入力によって[[長期抑圧]](long-term depression, LTD)と呼ばれる可塑性が生じる<ref name="ref3"><pubmed>7097592</pubmed></ref>が、これが小脳皮質によるCSのタイミングの学習の原因であるという仮説が提出されている。これについては以降で解説する。 | ||
== 小脳神経回路の神経活動の同期的振動 == | == 小脳神経回路の神経活動の同期的振動 == |