「錐体細胞」の版間の差分

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サイズ変更なし 、 2012年7月15日 (日)
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 このような発火パターンは、細胞膜上のNa, K, Ca等の[[イオンチャネル]]の発現を反映している。IB細胞やFRB細胞においては、注入電流と発火頻度の関係は非線形な相関であり入力-出力の関係はRS細胞とは異なる。  
 このような発火パターンは、細胞膜上のNa, K, Ca等の[[イオンチャネル]]の発現を反映している。IB細胞やFRB細胞においては、注入電流と発火頻度の関係は非線形な相関であり入力-出力の関係はRS細胞とは異なる。  


 電気生理的特性は、他の特徴とも関係していることが知られている。上述の三種の錐体細胞は大脳皮質2-6層に存在するが、IB細胞は5層に多く<ref name="ref18"><pubmed>1691879</pubmed></ref> <ref name="ref19"><pubmed>14614077</pubmed></ref>、FRB細胞は2-4層に多い。5層のIB細胞は同層のRS細胞と比べて細胞体が大きく、樹状突起を広く伸ばしており、軸策は5-6層で分枝する。これに対して、RS細胞は細胞体や樹状突起の分枝範囲が小さく、軸策は1-4層で分枝する<ref name="ref20"><pubmed>2585046</pubmed></ref>。皮質内・皮質下から皮質へ層特異的な入力があることから、各サブタイプの錐体細胞は異なる入力を受ける可能性がある。また、RS細胞とIB細胞は皮質内で構成する神経回路や投射先が異なる<ref name="ref21"><pubmed>11331387</pubmed></ref> <ref name="ref22"><pubmed>15248197</pubmed></ref> <ref name="ref23"><pubmed>17124287</pubmed></ref>。錐体細胞の投射先や形態、発火様式などの特徴はそれぞれに相関しており、各サブタイプの入出力特性の違いや結合特異性の差異から、これらのサブタイプは機能的に異なる役割を果たすと考えられている。  
 電気生理的特性は、他の特徴とも関係していることが知られている。上述の三種の錐体細胞は大脳皮質2-6層に存在するが、IB細胞は5層に多く<ref name="ref18"><pubmed>1691879</pubmed></ref> <ref name="ref19"><pubmed>14614077</pubmed></ref>、FRB細胞は2-4層に多い。5層のIB細胞は同層のRS細胞と比べて細胞体が大きく、樹状突起を広く伸ばしており、軸索は5-6層で分枝する。これに対して、RS細胞は細胞体や樹状突起の分枝範囲が小さく、軸索は1-4層で分枝する<ref name="ref20"><pubmed>2585046</pubmed></ref>。皮質内・皮質下から皮質へ層特異的な入力があることから、各サブタイプの錐体細胞は異なる入力を受ける可能性がある。また、RS細胞とIB細胞は皮質内で構成する神経回路や投射先が異なる<ref name="ref21"><pubmed>11331387</pubmed></ref> <ref name="ref22"><pubmed>15248197</pubmed></ref> <ref name="ref23"><pubmed>17124287</pubmed></ref>。錐体細胞の投射先や形態、発火様式などの特徴はそれぞれに相関しており、各サブタイプの入出力特性の違いや結合特異性の差異から、これらのサブタイプは機能的に異なる役割を果たすと考えられている。  


== 発生・分化  ==
== 発生・分化  ==

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