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Hirokiumeshima (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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== 神経発生における役割 == | == 神経発生における役割 == | ||
[[image:Centrosome-position.jpg|300px|thumb|'''図3 神経細胞極性形成時における中心体の位置'''<br>中心体は将来、軸索となる神経突起の根元に局在する。]][[image:Centrosome-position2-2.jpg|300px|thumb|'''図4 神経細胞の移動時における中心体の位置'''<br>中心体は進行方向に対して核の前方側に局在する傾向がある。]][[image:Centrosome-sheme3.jpg|300px|thumb|'''図5 移動中の小脳顆粒細胞の免疫染色像'''<br>核周辺の微小管は必ずしも中心体に収束していない。<br>青:DAPI(細胞核)、黄色:γ-tubulin(中心体)、マゼンダ:アセチル化チューブリン(安定な微小管)、緑:チロシン化チューブリン(動的な微小管)]] | [[image:Centrosome-position.jpg|300px|thumb|'''図3 神経細胞極性形成時における中心体の位置'''<br>中心体は将来、軸索となる神経突起の根元に局在する。]][[image:Centrosome-position2-2.jpg|300px|thumb|'''図4 神経細胞の移動時における中心体の位置'''<br>中心体は進行方向に対して核の前方側に局在する傾向がある。]][[image:Centrosome-sheme3.jpg|300px|thumb|'''図5 移動中の小脳顆粒細胞の免疫染色像'''<br>核周辺の微小管は必ずしも中心体に収束していない。<br>青:DAPI(細胞核)、黄色:γ-tubulin(中心体)、マゼンダ:アセチル化チューブリン(安定な微小管)、緑:チロシン化チューブリン(動的な微小管)<br>Scale bar: 10μm]] | ||
=== 神経幹細胞の非対称分裂 === | === 神経幹細胞の非対称分裂 === | ||
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=== 神経細胞極性形成 === | === 神経細胞極性形成 === | ||
[[海馬]]や大脳皮質の[[錐体細胞]]はまず複数の未分化な神経突起を形成した後、そのうちの1本を急速に伸長させ[[軸索]] | [[海馬]]や大脳皮質の[[錐体細胞]]はまず複数の未分化な神経突起を形成した後、そのうちの1本を急速に伸長させ[[軸索]]へと分化させる(極性形成)。その際、中心体は軸索へと分化する神経突起の根元に局在することが報告されており(図3)、中心体が神経細胞における軸索決定に関与することが示唆されている<ref><pubmed>16079847</pubmed></ref><ref><pubmed>20685982</pubmed></ref>。中心体が主要な微小管重合開始点であることに加えて、ゴルジ体が中心体近傍に局在することから、中心体の局在により特定の神経突起に対して選択的に微小管や膜成分を供給している可能性が考えられる。しかし、他のニューロンにおいては軸索決定と中心体の位置に相関は見られないという報告もあり、軸索決定における中心体の局在は特定の神経細胞において必要なのか、神経細胞の極性化に付随して起こる現象にすぎないのかはいまだ明らかではない<ref><pubmed>21722732</pubmed></ref>。また、レーザー照射による中心体破壊実験の結果から、決定した後の軸索の伸長には中心体が必要ないことも報告されている<ref><pubmed>20056854</pubmed></ref>。分化した神経細胞では中心体の微小管重合能は低下しており、主な微小管重合は軸索および[[樹状突起]]内に広く分布した非中心体性のγ-tubulinによって担われると考えられている。 | ||
=== 神経細胞移動 === | === 神経細胞移動 === | ||
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神経細胞は[[脳室帯]]等の細胞分裂層で産生された後、脳組織内を自らが機能する部位へと移動する([[神経細胞移動]])。神経細胞移動の不全は皮質の層構造形成に異常を引き起こすことが知られており、層構造異常を伴う脳奇形の原因遺伝子として同定された[[Lis1]], [[Doublecortin]]等が、中心体および微小管関連遺伝子として神経細胞移動の制御に関与することが示されている。 | 神経細胞は[[脳室帯]]等の細胞分裂層で産生された後、脳組織内を自らが機能する部位へと移動する([[神経細胞移動]])。神経細胞移動の不全は皮質の層構造形成に異常を引き起こすことが知られており、層構造異常を伴う脳奇形の原因遺伝子として同定された[[Lis1]], [[Doublecortin]]等が、中心体および微小管関連遺伝子として神経細胞移動の制御に関与することが示されている。 | ||
神経細胞は移動に際して[[先導突起]]と呼ばれる神経突起を進行方向に伸展し、[[wikipedia:ja:細胞核|細胞核]] | 神経細胞は移動に際して[[先導突起]]と呼ばれる神経突起を進行方向に伸展し、[[wikipedia:ja:細胞核|細胞核]]およびその他の細胞内小器官を先導突起内へと移入させる。これまでに、中心体が移動中の神経細胞において細胞核の前方(先導突起側)に局在し(図4)細胞核に先行して先導突起内に移動すること、移動時の細胞核が微小管網の籠状構造に覆われていることが報告されており<ref><pubmed>15173193</pubmed></ref><ref><pubmed>15475953</pubmed></ref>、このことから中心体は自身から伸長する微小管によって先導突起と細胞核を連結し細胞核を先導突起内へ牽引するというモデルが提唱されている。しかし、移動中の神経細胞内では細胞核周辺の微小管が必ずしも中心体に収束しておらず(図5)細胞核と中心体は独立に移動するという、上記の核牽引モデルと矛盾する報告もある<ref><pubmed>17913873</pubmed></ref>。中心体は細胞の極性形成および維持に関与することから、細胞核を牽引するのではなく移動方向を決定することで間接的に細胞核移動に関与しているのかもしれない。また、細胞核移動を駆動する力は微小管モータータンパク質[[ダイニン]]が担うと考えられているが、ダイニンによる動力発生の詳細な作用機序は明らかではない。加えて[[アクチン]]モーターである[[ミオシン]]が細胞核移動に作用するという報告もある<ref><pubmed>15958735</pubmed></ref><ref><pubmed>16174753</pubmed></ref>。中心体自身の移動もダイニンとミオシンの連動により制御されると考えられているがその詳細は不明である<ref><pubmed>17618279</pubmed></ref><ref><pubmed>19607793</pubmed></ref>。 | ||
=== 繊毛の形成 === | === 繊毛の形成 === |
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