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Takumitsutsui (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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2.Structured Clinical Interview for DSM-Ⅳ(SCID) : DSM-Ⅳのための構造化臨床面接 | 2.Structured Clinical Interview for DSM-Ⅳ(SCID) : DSM-Ⅳのための構造化臨床面接 | ||
2010年に高橋らによって日本語版が出版されている<ref>'''高橋三郎、北村俊則、岡野禎治'''<br>精神科診断面接マニュアル SCID:使用の手引き・テスト用紙 第2版<br>''日本評論社'':2010</ref>。SCIDはDSM-Ⅳの17症状の有無のみを問う形式であり、<u>評価者間のぶれが生じる可能性がある</u>。 | 2010年に高橋らによって日本語版が出版されている<ref>'''(翻訳)高橋三郎、北村俊則、岡野禎治'''<br>精神科診断面接マニュアル SCID:使用の手引き・テスト用紙 第2版<br>''日本評論社'':2010</ref>。SCIDはDSM-Ⅳの17症状の有無のみを問う形式であり、<u>評価者間のぶれが生じる可能性がある</u>。 | ||
(飛鳥井先生へ:筆者の許可が必要か?監修は高橋先生。筆頭翻訳者は北村先生) | (飛鳥井先生へ:筆者の許可が必要か?監修は高橋先生。筆頭翻訳者は北村先生) | ||
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3.MINI International Neuropsychiatric Interview (M.I.N.I) :精神疾患簡易構造化面接法 | 3.MINI International Neuropsychiatric Interview (M.I.N.I) :精神疾患簡易構造化面接法 | ||
sheehanらによって開発された短時間で施行可能なスクリーニングより包括的な構造化面接である。大坪らが日本語版を作成している<ref>'''(翻訳)大坪天平、宮岡等、上島国利'''<br>M.I.N.I._精神疾患簡易構造化面接法<br>''星和書店'':2000</ref>。症状項目の有無のみを問う形式であり、<u>評価者間でのぶれが生じる可能性がある。 </u> | |||
(飛鳥井先生へ:筆者の許可が必要か?) | (飛鳥井先生へ:筆者の許可が必要か?) | ||
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==== EMDR ==== | ==== EMDR ==== | ||
<pre>====EMDR====</pre> | <pre>====EMDR====</pre> | ||
Shapiroが開発したEMDRは被面接者が面接者の指を眼球運動で追いながら、トラウマ体験を想起する治療法である。海外での複数のランダム化比較試験でPTSDに対する有効性が証明されている。 | Shapiroが開発したEMDRは被面接者が面接者の指を眼球運動で追いながら、トラウマ体験を想起する治療法である。海外での複数のランダム化比較試験でPTSDに対する有効性が証明されている。 | ||
=== 薬物療法 === | === 薬物療法 === | ||
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有効性に関して一致した結論には至らないが、治療薬としては推奨されていない。 | 有効性に関して一致した結論には至らないが、治療薬としては推奨されていない。 | ||
== 疫学 == | == 疫学 == | ||
<pre>==疫学==</pre> | <pre>==疫学==</pre> | ||
1995年にKesslerらが行った全米疫学調査ではPTSDの生涯有病率は男性5.0%、女性10.4%、現在有病率は男性1.5%、女性3.0%だった。また、性暴力などの犯罪被害者のPTSD発症率が自然災害被災者よりも高いことが示された<ref><pubmed>7492257</ref>。(ケスラーの図を入れるか。) | 1995年にKesslerらが行った全米疫学調査ではPTSDの生涯有病率は男性5.0%、女性10.4%、現在有病率は男性1.5%、女性3.0%だった。また、性暴力などの犯罪被害者のPTSD発症率が自然災害被災者よりも高いことが示された<ref><pubmed>7492257</ref>。<u>(ケスラーの図を入れるか。) </u> | ||
=== 併存障害 === | === 併存障害 === | ||
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=== 神経心理的知見 === | === 神経心理的知見 === | ||
<pre>===神経心理的知見===</pre> | <pre>===神経心理的知見===</pre> | ||
PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ]]とみなすと理解しやすく、暴露療法が有効であることも恐怖条件づけの消去現象と考えると理解しやすい。[[恐怖条件づけ]]を司る[[扁桃体]]と内側前頭前野との連絡についての解剖学的知見や内側前頭前野の破壊が恐怖の消去を阻害することを示した動物実験からの知見などが集積され、現在は[[扁桃体]]、内側前頭前野、[[海馬]] | PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ]]とみなすと理解しやすく、暴露療法が有効であることも恐怖条件づけの消去現象と考えると理解しやすい。[[恐怖条件づけ]]を司る[[扁桃体]]と内側前頭前野との連絡についての解剖学的知見や内側前頭前野の破壊が恐怖の消去を阻害することを示した動物実験からの知見などが集積され、現在は[[扁桃体]]、内側前頭前野、[[海馬]]などを含んだ神経回路モデルが想定されている<u>。(図挿入:「PTSDとは何か」</u>から 許可申請必要?) 。神経回路モデルは形態学的な研究も行われており、扁桃体、内側前頭前野の一部である[[前帯状皮質]]と[[海馬]]がPTSD患者で体積が減少していたとする報告がある<u>(参考文献挿入)。</u><br> | ||
その他、PTSDがストレス反応であるとの視点からストレス系ホルモンについての研究がなされている。24時間血漿コルチゾール値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能(hypothalamic-pituitary-adrenal:HPA系)の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球グルココルチコイド受容体の数の増加と感受性亢進と視床下部におけるコルチコトロピン放出因子の分泌亢進が示唆されている。<br>→ | その他、PTSDがストレス反応であるとの視点からストレス系ホルモンについての研究がなされている。24時間血漿コルチゾール値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能(hypothalamic-pituitary-adrenal:HPA系)の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球グルココルチコイド受容体の数の増加と感受性亢進と視床下部におけるコルチコトロピン放出因子の分泌亢進が示唆されている。<br>→ | ||
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=== 遺伝子研究 === | === 遺伝子研究 === | ||
<pre>===遺伝子研究===</pre> | <pre>===遺伝子研究===</pre> | ||
恐怖条件づけの消去現象とNMDA受容体、GABA受容体、BDNFなど分子レベルの因子と関連があることが知られており、さらに遺伝子レベルでの関連についても研究されている。しかし、現時点でPTSDに決定的な影響を与える遺伝子は同定されていない。遺伝子研究については[[wikipedia:gene by environment interaction|gene-by-environment interaction]] の観点からも研究がおこなわれており、糖質コルチコイド受容体の関連遺伝子であるFKBP5の4つの多形のうち1つが幼少期の被虐待歴のある者でPTSDのリスクを上昇させるという報告がある<ref><pubmed>18349090</ref>。 | |||
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