「シナプス後肥厚」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
16行目: 16行目:
 ReeseらはPSDを電子顕微鏡断層撮影で観察し、PSD中に様々な形状の蛋白質粒子を見いだし分類した上、それぞれを既知のPSD分子種に分類しているが、実際にはその主張を確認することは難しい。
 ReeseらはPSDを電子顕微鏡断層撮影で観察し、PSD中に様々な形状の蛋白質粒子を見いだし分類した上、それぞれを既知のPSD分子種に分類しているが、実際にはその主張を確認することは難しい。


== 生化学的な同定 ==
== 生化学的単離 ==


 CotmanらはPSDが界面活性剤に耐性があることを利用し、PSDを生化学的に単離することに成功した。今日では、Siekevitzらによる界面活性剤に非連続蔗糖密度勾配遠心法を組み合わせた方法がよく用いられている。さらに順により強い界面活性剤処理を行うことにより、PSD I、II、IIIとしてPSDに強固に結合している分子を分別していくことも可能である。単離したPSDの電子顕微鏡像は組織中のPSDと大きさや形状がよく似ており、大きさの平均が360 nmであった。また、分子量が1.10±0.36 GDaであった。走査型電子顕微鏡観察では、不定形の網目状の構造が認められおり、その構造がPSDを形作る構成基盤である可能性がある。  
 CotmanらはPSDが界面活性剤に耐性があることを利用し、PSDを生化学的に単離することに成功した。
 
 今日では、Siekevitzらによる界面活性剤に非連続蔗糖密度勾配遠心法を組み合わせた方法がよく用いられている。単離したPSDの電子顕微鏡像は組織中のPSDと大きさや形状がよく似ており、大きさが平均360 nm、分子量が1.10±0.36 GDaであった。走査型電子顕微鏡観察では、不定形の網目状の構造が認められおり、その構造がPSDを形作る構成基盤である可能性がある。
 
 ただし、この方法では、通常PSDにはあまり存在しない、チューブンリンの様な分子も混入することも知られており、取れてきた標品の中に含まれている分子が本当にPSD由来であるかは、別に免疫染色などで確認する必要が有る。
 
 さらに順により強い界面活性剤処理を行うことにより、PSD I、II、IIIとしてPSDに強固に結合している分子を分別していくことも可能である。
 
 
 
 


== 構成蛋白質  ==
== 構成蛋白質  ==

案内メニュー