「Hesファミリー」の版間の差分

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=== 発現のオシレーション  ===
=== 発現のオシレーション  ===


 Hes遺伝子の発現は、特徴的なネガティブフィードバックループを形成している。Hes1, Hes7は自身のプロモーター配列に複数のN-box配列を持っており、自身の転写発現を抑制することができる。しかし、Hes1, Hes7共にmRNA、タンパク質が不安定で速やかに分解されるため、転写抑制が解除される結果、再び発現が誘導される<ref name="ref3" />。この繰り返しによって、Hes1, Hes7の発現は、特徴的な短周期の周期的振動(オシレーション)を示すことが報告されており、マウスでは約二時間の周期性を示す。この周期的な発現パターンは、胚発生の過程において重要な役割を担っていることが分かってきた。Hes1は神経分化における未分化細胞の維持や分化のタイミングの制御に<ref><pubmed>18400163</pubmed></ref>、Hes7については周期的な体節形成のタイミングを測る時計として機能する<ref name="ref10" />。Hes1については、繊維芽細胞での発現振動や、ES細胞での発現振動が報告されており、前者では細胞の増殖に、後者では分化の不均一性に寄与している<ref><pubmed>12399594</pubmed></ref><ref><pubmed>16432209</pubmed></ref><ref><pubmed>17592117</pubmed></ref><ref><pubmed>19684110</pubmed></ref>。[[Image:Kobayashi_fig_3.jpg|thumb|center|400px|図3 Hes1の発現のオシレーション]]  
 Hes遺伝子の発現は、特徴的なネガティブフィードバックループを形成している。Hes1, Hes7は自身のプロモーター配列に複数のN-box配列を持っており、自身の転写発現を抑制することができる。しかし、Hes1, Hes7共にmRNA、タンパク質が不安定で速やかに分解されるため、転写抑制が解除される結果、再び発現が誘導される<ref name="ref3" />。この繰り返しによって、Hes1, Hes7の発現は、特徴的な短周期の周期的振動(オシレーション)を示すことが報告されており、マウスでは約二時間の周期性を示す。この周期的な発現パターンは、胚発生の過程において重要な役割を担っていることが分かってきた。Hes1は神経分化における未分化細胞の維持や分化のタイミングの制御に<ref><pubmed>18400163</pubmed></ref>、Hes7については周期的な体節形成のタイミングを測る時計として機能する<ref name="ref10" />。Hes1については、繊維芽細胞での発現振動や、ES細胞での発現振動が報告されており、前者では細胞の増殖に、後者では分化の不均一性に寄与している<ref><pubmed>12399594</pubmed></ref><ref><pubmed>16432209</pubmed></ref><ref><pubmed>17592117</pubmed></ref><ref><pubmed>19684110</pubmed></ref>。[[Image:Kobayashi fig 3.jpg|thumb|center|400px|図3 Hes1の発現のオシレーション]]  


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