「電位依存性カルシウムチャネル」の版間の差分

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==== Ca<sub>v</sub>2 (N, P/Q, R型) ====
==== Ca<sub>v</sub>2 (N, P/Q, R型) ====


 非L型 (Ca<sub>v</sub>2) には[[N]]、[[P/Q]]、[[R型]]が含まれる。N型 (Ca<sub>v</sub>2.2) には、L型ではない (<u>N</u>on-L) 、[[神経細胞]]に発現する (<u>N</u>euronal) という意味がある<ref name="ref6"><pubmed>2410796</pubmed></ref>。ペプチド性の[[wikipedia:ja:イモ貝|イモ貝]]毒[[ω-コノトキシン GVIA]]により選択的に阻害される<ref><pubmed>2438698</pubmed></ref>。P型は[[小脳]][[プルキンエ]] (<u>P</u>urkinje) 細胞においてDHPとω-コノトキシン GVIAの両方に非感受性のCa<sup>2+</sup>電流として同定された<ref><pubmed>  2545128</pubmed></ref>。クモ毒[[ω-アガトキシンIVA]]によって選択的に阻害される<ref><pubmed>1321648</pubmed></ref>。Q型は、同じ遺伝子 (Ca<sub>v</sub>2.1) の[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]]であると考えられており<sup>[11]</sup>、小脳顆粒細胞において初めて電流が同定された。Q型はP型よりω-アガトキシンIVAに対する親和性が低い<ref><pubmed>   7722641</pubmed></ref>。R型 (Ca<sub>v</sub>2.3) は小脳顆粒細胞においてDHP、ω-コノトキシン GVIA、ω-アガトキシンIVAによって阻害されない残りの成分 (<u>R</u>esidual) という意味で名づけられ<ref><pubmed>10321243</pubmed></ref>、[[wikipedia:ja:タランチュラ|タランチュラ]]毒素[[SNX-482]]によって選択的に阻害される<ref><pubmed>  9799496</pubmed></ref>。これら非L型のVDCCは広く神経系に発現している<ref name="ref3" />。
 非L型 (Ca<sub>v</sub>2) には[[N]]、[[P/Q]]、[[R型]]が含まれる。N型 (Ca<sub>v</sub>2.2) には、L型ではない (<u>N</u>on-L) 、[[神経細胞]]に発現する (<u>N</u>euronal) という意味がある<ref name="ref6"><pubmed>2410796</pubmed></ref>。ペプチド性の[[wikipedia:ja:イモ貝|イモ貝]]毒[[ω-コノトキシン GVIA]]により選択的に阻害される<ref><pubmed>2438698</pubmed></ref>。P型は[[小脳]][[プルキンエ]] (<u>P</u>urkinje) 細胞においてDHPとω-コノトキシン GVIAの両方に非感受性のCa<sup>2+</sup>電流として同定された<ref><pubmed>  2545128</pubmed></ref>。クモ毒[[ω-アガトキシンIVA]]によって選択的に阻害される<ref><pubmed>1321648</pubmed></ref>。Q型は、同じ遺伝子 (Ca<sub>v</sub>2.1) の[[wikipedia:ja:スプライスバリアント|スプライスバリアント]]であると考えられており<sup>[11]</sup>、小脳顆粒細胞において初めて電流が同定された。Q型はP型よりω-アガトキシンIVAに対する親和性が低い<ref><pubmed>7722641</pubmed></ref>。R型 (Ca<sub>v</sub>2.3) は小脳顆粒細胞においてDHP、ω-コノトキシン GVIA、ω-アガトキシンIVAによって阻害されない残りの成分 (<u>R</u>esidual) という意味で名づけられ<ref><pubmed>10321243</pubmed></ref>、[[wikipedia:ja:タランチュラ|タランチュラ]]毒素[[SNX-482]]によって選択的に阻害される<ref><pubmed>  9799496</pubmed></ref>。これら非L型のVDCCは広く神経系に発現している<ref name="ref3" />。


==== Ca<sub>v</sub>3 (T型) ====
==== Ca<sub>v</sub>3 (T型) ====
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=== TRP チャネル ===
=== TRP チャネル ===


 [[wikipedia:Transient receptor potential channel|Transient receptor potential channel]](TRPチャネル)は、[[ショウジョウバエ]]の光受容応答変異株の原因遺伝子として発見されたチャネル分子である<ref name="ref35"><pubmed>    2516726</pubmed></ref>。哺乳類においては28種の遺伝子が同定され、C, M, P, ML, V, Aといった6つのサブファミリーを構成する。TRPチャネルは、温度、機械刺激、痛み、酸-塩基といった種々の物理化学的刺激によって活性化されるカチオンチャネルファミリーを形成している。その多くがCa<sup>2+</sup>透過能を有し、中枢・末梢神経系を始めとするほぼ全ての組織に発現が見られる。TRPCやTRPMファミリーに属するTRPチャネルを介したCa<sup>2+</sup>シグナルは、神経細胞において重要な役割を担っていることが示されている。[[受容体]]刺激、[[細胞内Ca<sup>2+</sup>ストア]]枯渇、および他のタンパク質との相互作用によって活性化される[[TRPCチャネル]] (TRPC1~7) を介したCa<sup>2+</sup>流入が、神経細胞の分化、[[増殖]]、生存や[[神経突起]]の伸長・誘導、[[スパイン]]形成といった多くの神経機能に関連する<ref name="ref36"><pubmed>19999578</pubmed></ref>。一方、[[酸化ストレス]]や温度、pH、機械刺激などで活性化されるTRPMチャネル (TRPM1~8)を介したCa<sup>2+</sup>流入が、神経細胞の成長・発達や[[細胞死]]に関連する<ref name="ref36" />。
 [[wikipedia:Transient receptor potential channel|Transient receptor potential channel]](TRPチャネル)は、[[ショウジョウバエ]]の光受容応答変異株の原因遺伝子として発見されたチャネル分子である<ref name="ref35"><pubmed>    2516726</pubmed></ref>。哺乳類においては28種の遺伝子が同定され、C, M, P, ML, V, Aといった6つのサブファミリーを構成する。TRPチャネルは、温度、機械刺激、痛み、酸-塩基といった種々の物理化学的刺激によって活性化されるカチオンチャネルファミリーを形成している。その多くがCa<sup>2+</sup>透過能を有し、中枢・末梢神経系を始めとするほぼ全ての組織に発現が見られる。TRPCやTRPMファミリーに属するTRPチャネルを介したCa<sup>2+</sup>シグナルは、神経細胞において重要な役割を担っていることが示されている。[[受容体]]刺激、[[細胞内Ca2+ストア|細胞内Ca<sup>2+</sup>ストア]]枯渇、および他のタンパク質との相互作用によって活性化される[[TRPCチャネル]] (TRPC1~7) を介したCa<sup>2+</sup>流入が、神経細胞の分化、[[増殖]]、生存や[[神経突起]]の伸長・誘導、[[スパイン]]形成といった多くの神経機能に関連する<ref name="ref36"><pubmed>19999578</pubmed></ref>。一方、[[酸化ストレス]]や温度、pH、機械刺激などで活性化されるTRPMチャネル (TRPM1~8)を介したCa<sup>2+</sup>流入が、神経細胞の成長・発達や[[細胞死]]に関連する<ref name="ref36" />。


=== ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル ===
=== ストア作動性Ca<sup>2+</sup>チャネル ===

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