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== 他の生物におけるプリオン == | == 他の生物におけるプリオン == | ||
哺乳類以外にも菌類やアメフラシでもプリオンが存在することが知られている<ref name="ref3"><pubmed> 22879407 </pubmed></ref><ref name="ref4"><pubmed> 14697205 </pubmed></ref>。ここでいうプリオンとは、タンパク質からなる細胞質性の遺伝因子という意味である。つまり、あるタンパク質が可溶性の正常型構造と不溶性のアミロイド構造をとることによって異なる機能となることであり、タンパク質の構造が伝播することによって遺伝因子となることである。哺乳類以外のプリオンは疾病というよりむしろ、何らかの細胞機能を担っているのではないかと考えられている。 | |||
=== 菌類におけるプリオン === | === 菌類におけるプリオン === | ||
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=== 長期記憶におけるプリオン === | === 長期記憶におけるプリオン === | ||
[[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]や[[wikipedia:ja:アメフラシ|アメフラシ]]の神経細胞における[[cytoplasmic polyadenylation element binding protein]] (CPEB)はプリオンのように振る舞うことによって、[[長期記憶]]の形成と維持に関わっていることがわかってきている。アメフラシ(''Aplysia'')は神経細胞が大きいため神経細胞研究のモデル生物として利用されている。アメフラシのCPEB(ApCPEB)はシナプスの活性に依存してプリオン化状態に類似したオリゴマーを形成することがわかっており、オリゴマー形成が長期記憶の維持に重要であることがわかっている<ref><pubmed> 20144764 </pubmed></ref>。ショウジョウバエにおけるCPEBの一つである[[Orb2]]も同様のオリゴマーを形成し、オリゴマー形成が長期記憶の維持に重要であることがわかっている<ref><pubmed> 22284910 </pubmed></ref>。これらのことから、神経細胞におけるCPEBのプリオン化状態に類似したオリゴマー形成が長期記憶の形成・維持に重要であることがわかり、プリオンが長期記憶の形成・維持という細胞機能の制御に重要であることを示している。 | [[wikipedia:ja:ショウジョウバエ|ショウジョウバエ]]や[[wikipedia:ja:アメフラシ|アメフラシ]]の神経細胞における[[cytoplasmic polyadenylation element binding protein]] (CPEB)はプリオンのように振る舞うことによって、[[長期記憶]]の形成と維持に関わっていることがわかってきている。アメフラシ(''Aplysia'')は神経細胞が大きいため神経細胞研究のモデル生物として利用されている。アメフラシのCPEB(ApCPEB)はシナプスの活性に依存してプリオン化状態に類似したオリゴマーを形成することがわかっており、オリゴマー形成が長期記憶の維持に重要であることがわかっている<ref><pubmed> 20144764 </pubmed></ref>。ショウジョウバエにおけるCPEBの一つである[[Orb2]]も同様のオリゴマーを形成し、オリゴマー形成が長期記憶の維持に重要であることがわかっている<ref><pubmed> 22284910 </pubmed></ref>。これらのことから、神経細胞におけるCPEBのプリオン化状態に類似したオリゴマー形成が長期記憶の形成・維持に重要であることがわかり、プリオンが長期記憶の形成・維持という細胞機能の制御に重要であることを示している。 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |