「エクソサイトーシス」の版間の差分

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英語名:exocytosis 独: Exocytose 仏: exocytose
英語名:exocytosis 独: Exocytose 仏: exocytose <br>
同義語: 開口放出、分泌、開口分泌
同義語: 開口放出、分泌、開口分泌


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開口放出の根本過程は細胞膜にあるt-SNARE分子と小胞にあるv-SNAREの会合による(図2)。神経の代表的SNARE分子には、v-SNAREとしてVAMP2、t-SNAREとしてsyntaxin1とSNAP25がある。ボツリヌス毒素や破傷風毒素はSNAREを特異的に切断する活性を持ち、切断が起きると速い神経伝達はほぼ完全に阻害される。神経や分泌細胞でもSNAREの他のサブタイプが発現しており、遅い開口放出に関係している。複合化したSNAREは安定で、細胞膜に残りcis-SNARE複合体を形成する。NSFがSNAPを補因子としてATP依存的にSNARE分子を脱解離させる。こうして、遊離SNARE分子は会合するエネルギーを持って準備している。
開口放出の根本過程は細胞膜にあるt-SNARE分子と小胞にあるv-SNAREの会合による(図2)。神経の代表的SNARE分子には、v-SNAREとしてVAMP2、t-SNAREとしてsyntaxin1とSNAP25がある。ボツリヌス毒素や破傷風毒素はSNAREを特異的に切断する活性を持ち、切断が起きると速い神経伝達はほぼ完全に阻害される。神経や分泌細胞でもSNAREの他のサブタイプが発現しており、遅い開口放出に関係している。複合化したSNAREは安定で、細胞膜に残りcis-SNARE複合体を形成する。NSFがSNAPを補因子としてATP依存的にSNARE分子を脱解離させる。こうして、遊離SNARE分子は会合するエネルギーを持って準備している。


  これらのSNARE分子の生理的な会合には、Munc18や Munc13の2つの分子が神経でも分泌細胞でも必須である。Munc18はsyntaxinと高親和性に結合し、syntaxinの分子シャペロンとして働く。この結合状態ではsyntaxinは他のSNAREと結合できない。一方、Munc13はsyntaxinとMunc18の強い結合を解き、SNARE複合体の形成を促進する因子と考えられる。この作用様式がMunc13のサブタイプ(Munc13-1,2,3,4)により異なり、これがシナプスや分泌細胞の応答特異性に影響している可能性がある。Munc18はSNARE複合体とも結合し、そのサブタイプ(Munc18-a,b,c)によりSNAREサブタイプ特異的に結合能が異なり、SNAREサブタイプ間の結合特異性を決める因子として働く。SNARE分子の会合を促進する因子はプライミング分子を呼ばれる。Munc13、 Munc18の他に、CAPS, snapin, complexinなどが知られている。これらの分子は刺激前にも後にも働き得る。
  これらのSNARE分子の生理的な会合には、Munc18や Munc13の2つの分子が神経でも分泌細胞でも必須である。Munc18はsyntaxinと高親和性に結合し、syntaxinの分子シャペロンとして働く。この結合状態ではsyntaxinは他のSNAREと結合できない。一方、Munc13はsyntaxinとMunc18の強い結合を解き、SNARE複合体の形成を促進する因子と考えられる。この作用様式がMunc13のサブタイプ(Munc13-1,2,3,4)により異なり、これがシナプスや分泌細胞の応答特異性に影響している可能性がある。Munc18はSNARE複合体とも結合し、そのサブタイプ(Munc18-a,b,c)によりSNAREサブタイプ特異的に結合能が異なり、SNAREサブタイプ間の結合特異性を決める因子として働く。SNARE分子の会合を促進する因子はプライミング分子を呼ばれる。Munc13、 Munc18の他に、CAPS, snapin, complexinなどが知られている。これらの分子は刺激前に働いて準備状態を作ることも、後に働らき開口放出の誘発に関係することもある。


  開口放出にカルシウム感受性を付与する分子(カルシウムセンサー)としては、synaptotagminやDoc2などのC2ドメインを持つ分子の関与が濃厚である。特に、ultrafast exocytosisにはsynaptotagmin1,2が関係している。これらの分子は、脂質2重膜との間でCa2+依存的な結合をする。Ca2+依存的な結合が、膜融合の直接的な引き金となっている可能性が高い。これらのCa2+センサーはcomplexinを介してSNAREとも相互作用する。
  開口放出にカルシウム感受性を付与する分子(カルシウムセンサー)としては、synaptotagminやDoc2などのC2ドメインを持つ分子の関与が濃厚である。特に、超高速開口放出にはsynaptotagmin1,2が関係している。これらの分子は、脂質2重膜との間でCa2+依存的な結合をする。Ca2+依存的な結合が、膜融合の直接的な引き金となっている可能性が高い。これらのCa2+センサーはcomplexinを介してSNAREと相互作用する。


  アクティブゾーンには更に幾つかの分子(Rim, ELKAS/CAST, liprin, bassoon, piccolo, neurexinなど) が集積しており、この超分子的な集積がアクティブゾーンとしての微細構造を作っていると考えられる。中でも、Rimは膜電位依存性カルシウムチャネルの集積に関係し、チャネル開口部にできる高濃度カルシウム領域(カルシウムドメイン)による開口放出の高速調節に必須と考えられる。アクティブゾーンで見られる超高速開口放出には、SNARE分子が拡散的に会合する余裕はなく、既に近接してtrans-SNARE複合体を形成していると考えられる。一方、SNAREが既に会合しきっていたのでは、刺激後に膜融合に必要な力が説明されないので、SNAREは特有な不安定な複合体状態をとっており、そのために超分子構造が使われていると考えられる。
  アクティブゾーンには更に幾つかの分子(Rim, ELKAS/CAST, liprin, bassoon, piccolo, neurexinなど) が集積しており、この超分子的な集積がアクティブゾーンとしての微細構造を作っていると考えられる。中でも、Rimは膜電位依存性カルシウムチャネルの集積に関係し、チャネル開口部にできる高濃度カルシウム領域(カルシウムドメイン)による開口放出の高速調節に必須と考えられる。アクティブゾーンで見られる超高速開口放出には、SNARE分子が拡散的に会合する余裕はなく、既に近接してtrans-SNARE複合体を形成していると考えられる。一方、SNAREが既に会合しきっていたのでは、刺激後に膜融合に必要な力が説明されないので、SNAREは特有な不安定な複合体状態をとっており、そのために超分子構造が使われていると考えられる。

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