「プリオン」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
73行目: 73行目:
 哺乳類のプリオン病は経口摂取により感染すると考えられているが、その詳細な感染過程については不明である。プリオンの不活性化には、[[wikipedia:ja:熱|熱]]、[[wikipedia:ja:放射線|放射線]]、[[wikipedia:ja:ホルマリン|ホルマリン]]などの処理では不十分であり、強酸、高温、高圧の処理が必要である。このことがプリオン病の封じ込めが難しい一つの要因となっている。
 哺乳類のプリオン病は経口摂取により感染すると考えられているが、その詳細な感染過程については不明である。プリオンの不活性化には、[[wikipedia:ja:熱|熱]]、[[wikipedia:ja:放射線|放射線]]、[[wikipedia:ja:ホルマリン|ホルマリン]]などの処理では不十分であり、強酸、高温、高圧の処理が必要である。このことがプリオン病の封じ込めが難しい一つの要因となっている。


== プリオンの特徴 ==  
===株===  
 
 プリオンの特徴の一つにウイルスなどと同様に性質が異なる「株(strain)」が存在することがしられている。異なるプリオン株は病理変化、潜伏期間などで異なる性質を示す。プリオンにおける「株」の違いは原因となるPrP<sup>Sc</sup>の構造の違いによって引き起こされると考えられている<ref><pubmed> 21947062 </pubmed></ref>。
 プリオンの特徴の一つにウイルスなどと同様に性質が異なる「株(strain)」が存在することがしられている。異なるプリオン株は病理変化、潜伏期間などで異なる性質を示す。プリオンにおける「株」の違いは原因となるPrP<sup>Sc</sup>の構造の違いによって引き起こされると考えられている<ref><pubmed> 21947062 </pubmed></ref>。


 また、プリオン感染には「種の壁(species barrier)」と呼ばれる現象が知られている。動物におけるプリオン病はすべてPrP<sup>Sc</sup>によって引き起こされると考えられているが、動物種を超えての感染はほとんど認められず、感染しても長い潜伏期間が必要となることが多い。しかし、ウシの狂牛病がヒトに感染し変異型CJDを引き起こすことが報告され、ウシのプリオンはウシとヒトとの種の壁を乗り越えることが明らかとなった。一方、ヒツジのスクレイピーはヒトには感染しないとされている。  
===種の壁===
 また、プリオン感染には「種の壁(species barrier)」と呼ばれる現象が知られている。動物におけるプリオン病はすべてPrP<sup>Sc</sup>によって引き起こされると考えられているが、動物種を超えての感染はほとんど認められず、感染しても長い潜伏期間が必要となることが多い。しかし、ウシの狂牛病がヒトに感染し変異型CJDを引き起こすことが報告され、ウシのプリオンはウシとヒトとの種の壁を乗り越えることが明らかとなった。一方、ヒツジのスクレイピーはヒトには感染しないとされている。


== 他の生物におけるプリオン ==  
== 他の生物におけるプリオン ==  

案内メニュー