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障害認識及び病識は、異なる成因からなる多要因の概念であると近年は考えられるようになっている。たとえばDavid <ref><pubmed>2207510</pubmed></ref>,<ref><pubmed>1422606</pubmed></ref>は病識の概念を二分して、「何らかの疾患に罹患しており、それが精神障害であること」と、「特定の精神的な変化の体験を病的であると認識できる能力」とした。また両概念とも、「あり」「なし」の二分法では記述できないこと、両概念の相互関連性は必ずしも高くないことを示した。そしてこれまでのさまざまな研究における病識欠如の出現率は評価方法と、評価している時期に依存していることを指摘した。 | |||
Amadorら1,<ref><pubmed>8494061</pubmed></ref>は、病識はひとまとまりの症状群ごとに検討されるべき modality-specificなものであり、障害認識及び病識は少なくとも以下の4次元から成り立っていると主張している。1)精神症状や症候や疾病のもたらす変化についての認識、2)疾病についての帰属、および症状や起こってくる変化についての帰属、3)自己概念形成、4)心理的防衛。池淵ら9)は、ICD-10によって統合失調症と診断された31例(社会復帰病棟に入院中の慢性例)を対象に、複数の尺度による評価を試み、3因子(治療遵守と疾病の認識因子、服薬理由の因子、精神症状認識の因子)を抽出した。 | Amadorら1,<ref><pubmed>8494061</pubmed></ref>は、病識はひとまとまりの症状群ごとに検討されるべき modality-specificなものであり、障害認識及び病識は少なくとも以下の4次元から成り立っていると主張している。1)精神症状や症候や疾病のもたらす変化についての認識、2)疾病についての帰属、および症状や起こってくる変化についての帰属、3)自己概念形成、4)心理的防衛。池淵ら9)は、ICD-10によって統合失調症と診断された31例(社会復帰病棟に入院中の慢性例)を対象に、複数の尺度による評価を試み、3因子(治療遵守と疾病の認識因子、服薬理由の因子、精神症状認識の因子)を抽出した。 | ||