「リアノジン受容体」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
87行目: 87行目:
(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia; CPVT) 本症候群は精神的または身体的ストレス時に交感神経活動が亢進することにより誘発される多形性心室頻拍の反復出現を特徴とする疾患である。このCPVP家系には急死例が多く、常染色体性優性遺伝形式をとり、その原因遺伝子として心臓RyR2の変異が関与する。交感神経によるβ受容体刺激の心臓収縮の増強作用の機序の1つとして、心筋細胞内でcAMP依存性リン酸化酵素によるRyR2のリン酸化・活性化を介して小胞体Ca<sup>2+</sup>放出を亢進することが知られている。悪性高熱症と同様に、CPVP家系で見出される遺伝子変異はRyR2をより活性型に誘導する変異であると考えられ、β受容体刺激時に過剰にRyR2が活性化することが致死的な頻拍を誘導することが示唆されている。欧米各国での発症例についてRyR2上での様々な点変異が報告されている。  
(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia; CPVT) 本症候群は精神的または身体的ストレス時に交感神経活動が亢進することにより誘発される多形性心室頻拍の反復出現を特徴とする疾患である。このCPVP家系には急死例が多く、常染色体性優性遺伝形式をとり、その原因遺伝子として心臓RyR2の変異が関与する。交感神経によるβ受容体刺激の心臓収縮の増強作用の機序の1つとして、心筋細胞内でcAMP依存性リン酸化酵素によるRyR2のリン酸化・活性化を介して小胞体Ca<sup>2+</sup>放出を亢進することが知られている。悪性高熱症と同様に、CPVP家系で見出される遺伝子変異はRyR2をより活性型に誘導する変異であると考えられ、β受容体刺激時に過剰にRyR2が活性化することが致死的な頻拍を誘導することが示唆されている。欧米各国での発症例についてRyR2上での様々な点変異が報告されている。  


 RyR1とRyR2の一次構造上にMHとCPVPにて報告された遺伝子変異をマップすると、アミノ末端部位、中央部位およびカルボキシル末端部位に集中することが判る。基本的なCICRチャネル機能を内蔵するカルボキシル末端部位に加えて、両症候群の変異が集約されるアミノ末端部位と中央部位もRyRチャネルの開閉制御に極めて重要な機能を有することが示されている。  
===タンパク質上の変異部位===
 RyR1とRyR2の一次構造上にMHとCPVPにて報告された遺伝子変異をマップすると、アミノ末端部位、中央部位およびカルボキシル末端部位に集中することが判る。基本的なCICRチャネル機能を内蔵するカルボキシル末端部位に加えて、両症候群の変異が集約されるアミノ末端部位と中央部位もRyRチャネルの開閉制御に極めて重要な機能を有することが示されている。


== 関連項目  ==
== 関連項目  ==

案内メニュー