「病識」の版間の差分

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== 治療 ==
== 治療 ==


近年はさまざまな社会的資源が整備されてきているが、病識が不十分な場合にはこうしたせっかくの資源も利用に至らず、結果として社会的孤立の道を歩むことになる。治療面でも、McEvoyら17)が指摘するように、ほかの精神症状が改善してもしばしば病識が一緒に改善しないことがあり、病識欠如は予後の悪さと関連性が高く、いわば治療抵抗性である。
近年はさまざまな社会的資源が整備されてきているが、病識が不十分な場合にはこうしたせっかくの資源も利用に至らず、結果として社会的孤立の道を歩むことになる。治療面でも、McEvoyら<ref><pubmed>2564330</pubmed></ref>が指摘するように、ほかの精神症状が改善してもしばしば病識が一緒に改善しないことがあり、病識欠如は予後の悪さと関連性が高く、いわば治療抵抗性である。
病識は多要因であり、成因も複数であることが考えられるため、個々の症例での丁寧なアセスメントにそって治療的アプローチを組み立てていくことが必要であろう。そのために治療効果についての実証的な研究には工夫が求められる。
病識は多要因であり、成因も複数であることが考えられるため、個々の症例での丁寧なアセスメントにそって治療的アプローチを組み立てていくことが必要であろう。そのために治療効果についての実証的な研究には工夫が求められる。
薬物療法ではクロザピンで病識が改善したとの報告<ref><pubmed>10482343</pubmed></ref>が見られるものの、まだ十分に検討されていない。
薬物療法ではクロザピンで病識が改善したとの報告<ref><pubmed>10482343</pubmed></ref>が見られるものの、まだ十分に検討されていない。

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