「ミリストイル化」の版間の差分

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== ''N''-ミリストイル化機構   ==
== ''N''-ミリストイル化機構   ==


 ''N''-ミリストイル化コンセンサス配列は多数の合成ペプチドを用いた酵母''S. cerevisiae'' NMTの基質特異性解析から明らかにされている<ref><pubmed>3123478</pubmed></ref>。<br>                    H<sub>2</sub>N-Met<sub>1</sub>-Gly<sub>2</sub>-Xaa<sub>3</sub>-Xaa<sub>4</sub>-Xaa<sub>5</sub>-(Ser/Cys/Thr)<sub>6</sub>-Xaa<sub>7</sub><br>Xaa<sub>3</sub>はプロリン、芳香族アミノ酸および荷電アミノ酸は適さない。Xaa<sub>4</sub>およびXaa<sub>5</sub>は任意のアミノ酸、Xaa<sub>7</sub>はプロリンを除くすべてのアミノ酸が可能である。ヒトNMTでも酵母''S. cerevisiae''同様にモチーフは共有されているが、厳密にはXaa部分のアミノ酸で両者の特異性が異なることが報告されている <ref><pubmed>8486723</pubmed></ref>。『共翻訳時修飾』ではまず、ペプチド鎖がリボソームに結合した状態でメチオニンアミノペプチダーゼ(methionine aminopeptidase)によりN末端メチオニン残基が除去され、露出したグリシンのアミノ基にNMTがミリスチン酸を付加する(図2A)。一方、カスパーゼを介する『翻訳後修飾』ではカスパーゼによるタンパク分解後、N末端に新たに露出したグリシンおよびモチーフに対してNMTがミリスチン酸を付加する(図2B)。 <br>[[Image:Myristoylation Fig2.png|thumb|left|400px|図2 NMTによるN-ミリストイル化機構]]
 ''N''-ミリストイル化コンセンサス配列は多数の合成ペプチドを用いた酵母''S. cerevisiae'' NMTの基質特異性解析から明らかにされている<ref><pubmed>3123478</pubmed></ref>。


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                    H<sub>2</sub>N-Met<sub>1</sub>-Gly<sub>2</sub>-Xaa<sub>3</sub>-Xaa<sub>4</sub>-Xaa<sub>5</sub>-(Ser/Cys/Thr)<sub>6</sub>-Xaa<sub>7</sub>


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 Xaa<sub>3</sub>は[[wikipedia:ja:プロリン|プロリン]]、[[wikipedia:ja:芳香族アミノ酸|芳香族アミノ酸]]および荷電アミノ酸は適さない。Xaa<sub>4</sub>およびXaa<sub>5</sub>は任意のアミノ酸、Xaa<sub>7</sub>はプロリンを除くすべてのアミノ酸が可能である。ヒトNMTでも酵母''S. cerevisiae''同様にモチーフは共有されているが、厳密にはXaa部分のアミノ酸で両者の特異性が異なることが報告されている <ref><pubmed>8486723</pubmed></ref>。『共翻訳時修飾』ではまず、ペプチド鎖が[[wikipedia:ja:リボソーム|リボソーム]]に結合した状態で[[wikipedia:METAP1|メチオニンアミノペプチダーゼ]](methionine aminopeptidase)によりN末端[[wikipedia:ja:メチオニン|メチオニン]]残基が除去され、露出したグリシンのアミノ基にNMTがミリスチン酸を付加する(図2A)。一方、カスパーゼを介する『翻訳後修飾』ではカスパーゼによるタンパク分解後、N末端に新たに露出したグリシンおよびモチーフに対してNMTがミリスチン酸を付加する(図2B)。
 
[[Image:Myristoylation Fig2.png|thumb|400px|図2 NMTによるN-ミリストイル化機構]]
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== 機能  ==
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