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Takumitsutsui (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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診断基準はDSM‐Ⅳ‐TR(表1)とICD‐10共に収載されているが、研究では前者の診断基準が用いられることが多い。 | 診断基準はDSM‐Ⅳ‐TR(表1)とICD‐10共に収載されているが、研究では前者の診断基準が用いられることが多い。 | ||
尚、PTSDは他の精神障害とは異なり、診断基準に外傷的出来事への曝露が含まれている。症状が診断基準を満たしても、出来事がA基準を満たさなければ、適応障害と診断するようにDSM‐Ⅳ‐TRでは教示されている。その一方で、出来事がA基準を満たしていても、出現した症状が他の精神障害の診断基準を満たしたときはその診断を下す、もしくはPTSDと併記しなければならない。 <br> | 尚、PTSDは他の精神障害とは異なり、診断基準に外傷的出来事への曝露が含まれている。症状が診断基準を満たしても、出来事がA基準を満たさなければ、適応障害と診断するようにDSM‐Ⅳ‐TRでは教示されている。その一方で、出来事がA基準を満たしていても、出現した症状が他の精神障害の診断基準を満たしたときはその診断を下す、もしくはPTSDと併記しなければならない。 <br> | ||
'''表1.PTSDの診断基準(DSM-IV-TR)''' | '''表1.PTSDの診断基準(DSM-IV-TR)''' | ||
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=== 神経生理学的知見 === | === 神経生理学的知見 === | ||
PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ|恐怖条件付け]] | PTSDの再体験、過覚醒症状は トラウマ体験に対する[[恐怖条件づけ|恐怖条件付け]]とみなすと理解しやすく、曝露療法が有効であることも恐怖条件付けの[[消去]]現象と考えると理解しやすい。恐怖条件付けを司る[[扁桃体]]と[[内側前頭前野]]との連絡についての解剖学的知見や内側前頭前野の破壊が恐怖の消去を阻害することを示した動物実験からの知見などが集積され、現在は扁桃体、内側前頭前野、[[海馬]]などを含んだ神経回路(fear-circuit)モデルが想定されている(図2)。神経回路モデルに関して形態学的な研究も行われている。PTSDと診断された者の海馬体積が小さいという報告と差を認めないとする報告がある。CAPS>65の重症PTSD患者とその一卵性双生児(トラウマ体験に曝露されていない)における海馬が共に小さいことが示され、海馬体積はPTSDの病態に影響を与えている[[脆弱因子]]である可能性も示唆されている<ref><pubmed>12379862</pubmed></ref>。また、同様の一卵性双生児の研究で、PTSDの影響によるpregenual anterior cingulate cortexの体積減少の可能性も示唆されている<ref><pubmed>17825801</pubmed></ref>。 | ||
その他、PTSDがストレス反応であるとの観点からストレスホルモンについての研究がなされている。24時間血漿[[コルチゾール]]値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、[[視床下部-下垂体-副腎皮質系]](hypothalamic-pituitary-adrenal:HPA系)機能の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン抑制試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球[[グルココルチコイド]][[受容体]]の数の増加と感受性亢進、および[[視床下部]]における[[コルチコトロピン放出因子]]の分泌亢進が示唆されている。 | その他、PTSDがストレス反応であるとの観点からストレスホルモンについての研究がなされている。24時間血漿[[コルチゾール]]値で夜間と早朝のベースラインレベルがうつ病患者や健常対照群と比較して有意に低く、[[視床下部-下垂体-副腎皮質系]](hypothalamic-pituitary-adrenal:HPA系)機能の調節異常が示唆されている。また、デキサメタゾン抑制試験によるコルチゾール分泌の過剰抑制、リンパ球[[グルココルチコイド]][[受容体]]の数の増加と感受性亢進、および[[視床下部]]における[[コルチコトロピン放出因子]]の分泌亢進が示唆されている。 |
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