「不安症」の版間の差分

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[[image:不安障害2.png|thumb|300px|'''図2.不安障害の遺伝的環境的危険因子 双生児研究の結果'''<ref name=ref100><pubmed>15699295</pubmed></ref> ]]
[[image:不安障害2.png|thumb|300px|'''図2.不安障害の遺伝的環境的危険因子 双生児研究の結果'''<ref name=ref100><pubmed>15699295</pubmed></ref> ]]


 不安障害のようなcommon diseases では、病理性の比較的小さい責任遺伝子の集積により発病する(多因子遺伝)。発症には遺伝子間の相互作用(epistasis)や環境との相互作用が重要な要素となる。不安障害の遺伝性(遺伝子による発症危険率)は20~40%と言われている(Smoller JW et al, 2009)。不安障害の第一等親では一般人口に比しその発症危険率は4~6倍高い。[[wikipedia:ja:双生児|双生児]]研究での不安障害の発症一致率は、[[wikipedia:ja:一卵性双生児|一卵性双生児]]では12~26%、[[wikipedia:ja:二卵性双生児|二卵性双生児]]では4~15%である。  
 不安障害のようなcommon diseases では、病理性の比較的小さい責任遺伝子の集積により発病する(多因子遺伝)。発症には遺伝子間の相互作用(epistasis)や環境との相互作用が重要な要素となる。不安障害の遺伝性(遺伝子による発症危険率)は20~40%と言われている<ref><pubmed> 19885930</pubmed></ref>。不安障害の第一等親では一般人口に比しその発症危険率は4~6倍高い。[[wikipedia:ja:双生児|双生児]]研究での不安障害の発症一致率は、[[wikipedia:ja:一卵性双生児|一卵性双生児]]では12~26%、[[wikipedia:ja:二卵性双生児|二卵性双生児]]では4~15%である。  


 不安障害の双生児研究で、 パニック障害、広場恐怖、全般性不安障害に関与する因子と特定の恐怖症に関与する因子が二分されており、社交不安障害はこれら二つの因子の影響は少ない(Hettema JM et al, 2005)。この研究によれば環境的危険因子は遺伝的のそれよりも数倍高い(図2)。不安障害と関係のある[[病前性格]]が確認されている。[[内向性]]と神経質は遺伝性の傾向が強く、全般性不安障害や広場恐怖との関連性が指摘されている(Bienvenu OJ et al, 2007)。
 不安障害の双生児研究で、 パニック障害、広場恐怖、全般性不安障害に関与する因子と特定の恐怖症に関与する因子が二分されており、社交不安障害はこれら二つの因子の影響は少ない<ref><pubmed> 15699295</pubmed></ref>。この研究によれば環境的危険因子は遺伝的のそれよりも数倍高い(図2)。不安障害と関係のある[[病前性格]]が確認されている。[[内向性]]と神経質は遺伝性の傾向が強く、全般性不安障害や広場恐怖との関連性が指摘されている<ref><pubmed> 17435917</pubmed></ref>。


== 発症機構  ==
== 発症機構  ==

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